アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
馬鹿な夢*
-
僕の脳は馬鹿だ
それ以外の何者でもないのを、この光景が証明している。
僕はまた夢を見ている。
都合のいい夢を
昼間の出来事が反映されて、今僕は戀兎の腕の中。
部屋には二人きり。
斜めに傾いた体を支える戀兎の腕が腰に回っていて慌てた。
『動かない!!』
昼間同様、厳しい声がして、体制を整える
『頭でもぶつけたらどうするの?』
眉を寄せて僕を叱る戀兎。
僕は昼間言えなかった質問を、夢の戀兎に尋ねる。
『気持ち悪くない?』
一度目に抱きとめてもらった時、戀兎は目を見開き、一瞬拒絶にも似た強い嫌悪を瞳に宿していた、手に力を入れられた時、突き飛ばされると思って自分から体を離した。
2度目に抱きしめられた時、その瞳に嫌悪感はなかったが、1度目のあの瞳には確かにあった。
『気持ち悪くなんかないよ』
夢の中の戀兎が僕に都合のいい答えを返してくれる。
『戀兎、好きだよ』
『僕もだよ』
抱きしめてる腕に力がこもり、顔が近づく、優しく唇が重なって、体が熱くなる。
『れ…んと』
湧き上がる熱、口づけを深くして、戀兎の体を強く抱きしめる。
戀兎もそれに答えてくれて、強く抱きしめ返してくれる。
口づけを繰り返し、角度を何度も変える。戀兎の唇が離れて、首筋をたどり、鎖骨に口づけが落とされた。
『ん』
漏れた声に、戀兎が微笑み、腕を引かれて、ベットになだれ込む。
僕を下にして、戀兎が覆いかぶさり唇を塞いできた。少しだけ強引になった舌が夕祐を貪って、触れてもらえる喜びが溢れて酔いそうだ。
『ゆうちゃん』
右手を握られて、戀兎の口元に持っていかれ、手の甲に王子様みたいなキスをされて心臓が跳ねた。戀兎の瞳が僕を見つめている。かすかに浮かぶ意地の悪そうな微笑み、そのまま、口づけは指先に向かって何度か繰り返されて、人差し指をペロっと舐められ、顔が一気に赤くなる、手を引こうとしたら、強く握られて引き止められ、次の瞬間、パクリと指をくわえられた。
『あっ!…や』
口の中でクチュクチュと舐めたり扱いたりされてくすぐったくて身をよじる。
『…くすぐったい』
口に指を含んだまま戀兎がふふっと笑う、そんな仕草が色っぽい。
そのまま指を舐め上げ、やっと離されたと息を付くと、スッと戀兎が耳元に寄って囁いた
『勉強、頑張ってね』
うわっ!!
うわーー!!
耳に甘く口づけられた
『戀兎!』
ギュッと抱きしめると、強く抱きしめ返され幸せな気持ちで満たされる
『ゆうちゃんて可愛いね、童貞?』
突然、戀兎じゃない声が耳元でして、抱き合っていた体を押しのけて離す。
そこには上半身裸のマキがいた
一瞬にして甘い熱は寒さと悪寒に変わった
好きでもない男に組み敷かれたことない夕祐は、恐怖に支配され固まった
『人のものに、手ェ出したんだから、どうなるか教えてあげるよ』
マキはあやしく妖艶に笑って夕祐の体を撫で回し始めた
いやだ!いやだ!
『離せ!』
やっとの思いで跳ね除け逃げようとして起き上がると、目の前の人物に抱きとめられ、恐怖で暴れた
『大丈夫』
その声が戀兎のものであることに動きを止めて、顔を上げる
優しく微笑む戀兎の姿に安堵して、唇を奪って押し倒した
『大丈夫だよ』
子供をあやすみたいに撫でられて、恥ずかしいけど冷えた体温が上がっていく。
『可愛い』
また耳元で囁かれ、舐められた。
ひゃーーー!!!
「夕祐?どうしたの?机に突っ伏したりして。テストいまいちだったの?かして」
夏美は、耳を押さえて机に突っ伏している夕祐をどかして、回答用紙を回収した。
「あれ?全部書けてるじゃん…てか熱でもあるの?顔真っ赤だよ」
昨晩の夢を、テストをしながら視界に入る右手が思い出させて、くすぐったくなり、そうすると耳元で戀兎の声が吐息混じりに聞こえる気がする。
その状態で、なんとか2教科乗り越えた。
「な、なんでもない」
男って、なんて馬鹿な生き物なんだろう。
「夕祐、昨日は図書館いなかったね」
「あ、昨日は部屋で…」
「部屋!?もももしかして有馬せ…」
「僕の部屋だよ」
「なーんだ」
あからさまにがっかりした後、夏美はジトっとこちらを見た。
「ってことは、檜山も一緒に?」
「うん」
「う、うらやましい」
夏美はのどをかきむしるような仕草をして、ばったり机に倒れこんだ。
「…あのさ」
「なに?」
「有馬先輩ってモテるの?女の子といるのみたことないんだけど」
机に寝ていた夏美が体を起こし両手で頬杖をついた
「それは…まぁ、そこそこ?」
ん?なんで一瞬答えを渋ったんだ?
「何?」
「…んー、有馬先輩にはね、マキ先輩がいるから」
「え?」
「あ、誤解しないで、マキ先輩がね、有馬先輩を気に入ってて、誰も近づけないんだよ」
…。
なぜか夏美の目が輝いて見える。
「あー、あんな美人がいつも隣にいたら私たちかすんじゃうじゃない?」
「なんで嬉しそうなの?」
「お子様な夕祐には教えられません」
ここにもいたか、腐女。
ってか、リアルでの萌えはダメだろ。
「さ、帰ろ帰ろ」
夏美はニヤニヤしながら手を振って教室を出て行ってしまった。
…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 72