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生徒会
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テストが終わって一週間
代理の点呼副リーダーも終了して前ほど戀兎とは会わなくなった。
雨の日が増えて、6月に入り。
特に何も無い平和な時間が流れてた。
岩龍君は結局、春日にも真相を話さなかったが、2、3日して、一言だけ「大丈夫でした」と言った、たぶん友達のことだろう、と思ったけど、そういえば、この学校で僕ら以外といる岩龍君を見ないのに、友達って誰のことだったんだろう…
気にはなったが詮索はしなかった。
学校では、まもなく返されるテストと、夏休み前に始まる体育祭で話が盛り上がっている。
参加する種目も決まって、クラスの代表が走るリレー選手も放課後練習を開始している
僕は運動神経いい方だとは思うけど、代表になるほどのものはもってないから、普通に参加種目は三つ程。前の席の夏美はリレーの選手で体育祭実行委員だから毎日張り切ってし切ってる。
毎日賑やかで平和だ。
ある一点を除けば…
「うわ~♪今日もお弁当美味しそうね♪♪一口ちょーだいゆうちゃん♪」
「マキ先輩首に巻きつかないで…締まってるぅ!」
雨で屋上が使えない日に食堂にいると、マキさんが現れるようになった。
「えー、今日も、あーんしてくれるまで離れなーい♪」
「マキ先輩くるしィ〜」
マキさんは僕だけではなく岩龍君にも絡んでいく。
「岩龍くーん、そのおかず美味しそうだね♪僕に頂戴♪」
「…あ、はい、ど、どうぞ」
素直におかずをつまんでマキの口元へ持ってくと、マキの口に入る前に一瞬にしておかずが消えた
「およ?」
マキが瞬きすると、すぐそばで夜風がムグムグと口を動かしている
「あ〜ん、また夜風君に取られちゃった♪ホッペ可愛いね」
「先輩も相変わらずお綺麗で誘惑フェロモン垂れ流しっすね」
「ありがとう♪夜風君は今日も可愛いよ♪」
誰かれ構わずマキは絡んで行くから放置もできず、仕方なく毎回相手をさせられている
「マキ先輩、ほら、玉子焼き上げますから、そっちに絡まないでくださいよ」
「だってー、皆可愛いんだもん♪」
耳元に唇を寄せて囁いてくるマキにゾクリとしたが、夕祐は、先週あったものが、今ないことに気がつき、マキ小声で言った
「包帯とれたんですね、よかった」
夜中にシャワー終わりのマキに会った翌日、食堂で鉢合わせたマキは、前に図書館で見た時と同じ長袖のタートルネックを着ていた、週明けの今日は制服の下は何も着ていないようで、包帯の後も見られなかった。
怪我したのかと、ハラハラしていたので、ホッと息を付き微笑んだ夕祐に、マキは眉を寄せ。小さく
「あー、あいつと同んなじ人種なのね…」
わずかに動いた唇が呟き、意味を飲み込めない夕祐が首を傾げた。
目が合うとヘラッとマキが笑い
「なんか、キスしたくなってきた♪」
「駄目です」
笑ってるマキの口に玉子焼きを突っ込む、マキは玉子をほうばりながらケタケタ子供みたいに笑って次も強請る。
こうして毎回マキは楽しそうに絡んで、しばらくすると、去って行くを繰り返す。
「それは、楽しそうですね」
放課後の占い部の部室で、今日のマキについて話していると、水森の関心のない声が聞こえた。
「僕は困ってるんですが…」
夕祐が項垂れると、紅茶をテーブルに並べていた犬山がゲラゲラ笑い出した
「マキちゃんは夕祐といると楽しいんだよ〜、相当気に入ってるんだね〜♪」
「僕は楽しくないです」
相変わらずほのぼのの犬山は、毎回美味しい紅茶を入れながら、楽しそうに話を聞いてくれている。
「そうだ!クロちゃんに占ってもらえば?」
同じテーブルで紅茶を飲むクロに視線を移した犬山。
クロは今日も真っ黒のマントを身にまとい、端で小さくなっている
「…」
紅茶から顔を上げてはくれたが、一言も言葉を発さず、クロはまた紅茶に口を付けた。
「いいってさ」
え!!あれって肯定?!
クロ先輩は、自己紹介した時以来一言も言葉を交わして無いが、普段からそうなんだと犬山先輩は言ってた。別に嫌われてる風でもないし。
ツンツン
クロがテーブルに置いてた夕祐の手を指先で突ついて、自分のそばにあった砂糖を夕祐のそばに寄せた。
今日のはお砂糖入れた方が美味しいよ
とのことみたい。
犬山の入れる紅茶は、変り種が多くて大抵味の付いてるそのまま飲めるもの。
夕祐は砂糖を受け取ると、角砂糖を一つ入れて、二個目砂糖を持ち上げてからクロを見てみる
クロが頷いたので、二個目を投入、三個目を持ち上げると、クロは首を振ったので、夕祐は砂糖を戻して蓋を閉めた
その光景を眺め、犬山がクスクス笑っている
和やかな放課後
しかし、一本の電話で、少し慌ただしくなった。
電話に出ていた水森の声が、一段低くなる。
「…それで?…わかりました。資料は僕が用意してすぐ行きます」
通話を切ってテーブルに置いて、裏へ引っ込んだ水森は、制服に着替えて出てきた。
「火浦君」
「はい」
「悪いんですが、手伝って下さい」
そう言われて部室を足早に出て行く水森の後に素直について行く。
「いってらっしゃ〜い☆」
背中に犬山の声が届いて、夕祐は「行ってきます」と返した。
なんだが急いでるみたいだったから、あえて何も聞かずついて行く、職員室に入った水森が先生と話をして鍵を受け取り、資料室から数冊ファイルを抜いて夕祐に持たせ、足早に向ったのは、生徒会室。
「お待たせ」
中に入ると、夕祐と同じ1年生が3人縮こまってソファーに座っていて、向かいに戀兎と、初めて見る2年生が少し重い空気を漂わせて座っていた。
「資料もらってきましたよ」
「悪いな泉…その子は?」
振り返った2年生は、キチンとして制服を着こし。黒髪を少し流してワックスで固められて、端正な顔立ちのイケメン。鋭い目元が印象的だが柔らかく微笑んだ。
…こないだ会った会長さんに似てる
「火浦君だよ、中山が休んだ時副リーダーをお願いしたい1年の火浦夕祐君」
「ああ、その節はお世話になりました。俺は2年の城崎要(しろさきかなめ)今日も手伝わせたみたいで悪かったね」
城崎…
この人会長の弟さんか…
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