アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
梅雨のはじまり
-
小雨降る中、寄り添って歩く戀兎とマキ
戀兎はマキを支えるようにして、布に包まったマキに手を添えて歩かせ、傘を拾って、二人の姿は傘に隠れてしまった。
ゆらゆらと揺れながら進むその傘は、裏口の方へ消えていった。
な、なんで?
こんな夜中に?
戀兎とマキさん?
グルグルとその言葉だけが回って、ただ小雨の降り続ける外を見続ける。
なんで?
真面目な戀兎が寮監補佐でありながら夜中に外出したんだから何か理由があるのだろうとは思う。
マキさんは隣の寮の人間で、B棟にはB棟の寮監補佐がいる。何か問題や心配事があるならそっちに相談する方がいいだろう。
2人が歩いてきたのはB棟の方面だ。
ということは、マキは戀兎の部屋に泊まってたワケではなさそうだ…。
窓に落としていた視線をドアと方に移す。
見に行く?
マキの様子がおかしいのはあきらかだ。具合が悪いのかもしれない…
行ってどうする?
途中で誰かに見つかったら?
どうしてそこまで気にする?
考えがまとまらずにまた窓の外に目がいく。
外は真っ暗で雲しか見えない。
小雨だった雨は、雨音を強めて、本格的な雨になる。
夕祐はもう一度ドアの方を見つめ、それからのっそり歩いて自分の布団に戻って布団をかぶる。
妙にハッキリ聞こえる雨音に眠気を奪われ、いつまでも寝付けない。
モソモソと寝返りを打ってはさっきの光景がチラつく。
やっぱり見に行こう!
なんかマキさんフラフラしてたし、
何か手伝えるかも!
布団から抜け出して、足音を立てないようにそっと歩き、扉の前にいき、外の様子を伺いながら外に出た。
ヒンヤリした廊下には誰もいない。
ヒタヒタと裸足で歩いて戀兎の部屋に向かい、辺りを伺ってから、そっと戀兎の部屋をノックした…
反応がない…
まだ部屋にいないのかもと思い、さっき見た裏口の方へ足を伸ばす
裏口の廊下には水を引きずったような後が伸びていて、跡を辿ると、個室のシャワー室に辿り着いた。
誰かシャワーしてる音がする。
ちょっとだけ覗いた脱衣所には、グッショリ濡れたシーツが置いてある。
さっきマキさんが使ってたやつかな?
って事はシャワー使ってるのはマキさん…戀兎はいないのか…
戀兎の気配が無くて、あまり覗いてても思った夕祐は頭を引っ込めようとすると…
「みーたーなー」
「ひッ!」
シャワールームからマキが顔を覗かせた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 72