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そして、
最後の顔
ガチャ
玄関の扉が開く音が聞こえた僕は今の今までやっていた宿題を放り出して走り出す
「おかえりなさい!!」
嬉しくて
玄関先だというのに
大好きな人の胸に飛び込む
「うん、ただいま、凪」
「おかえりなさい、お父さん」
実年齢42
でも見た目は30代前半
僕とお揃いのサラサラの黒髪
仕事中はワックスでオールバックにしていて
切れ長で鋭い瞳
スーと通った鼻に薄くて大きな唇
この人が僕の
大好きで
大好きで
大好きなお父さん
お父さんの大きな手が僕の頭を優しく撫でてくれる
僕を抱き締めたまま
「お父さん……お願い」
僕よりも大きなお父さんを見上げてお願いする
「相変わらず甘えん坊だな、凪は」
そう言うお父さんは嬉しそうだ
「…だって……あいつのキス、気持ち悪いんだもん」
「また、されたのか?」
「ごめんなさい……今日はタイミング悪くて、ばったり会っちゃって」
チッ
お父さんの舌打ち
「悪い子だな、凪は」
お父さんの声がいつもより低いものになる
「ぁ、ご…ごめんなさい!お父、さん」
嫌だ
僕を
僕を 嫌いにならないで
怯えた顔の僕
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