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替わり
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静夏side
不自然、コイツの態度をそう判断するのは難しい。
ショッピングモールのトイレを出た楽の反応はいつも通りで、帰ってからも・・・様子は変わらない。
重に連絡をとっても順調に済んだという報告が返ってくるだけで、楽に接触したかどうかもわからない。
『接触したのか・・・接触しなかったのか・・・』
考えながらソファに腰かけて、帰りにコンビニで買ってきた袋をテーブルに置く。
「あ、悪い子だ、尼野くんお酒買ったでしょ」
楽は俺の隣に腰かけると、袋を漁って缶チューハイを取り出す。
「今時、酒飲む高校生なんて珍しくもないだろ」
俺は缶チューハイを楽から奪って、冷蔵庫につっこむ。
「そうだね~・・・あれ、2本ある~、1本貰ってもいい~?」
「ん、やる」
本当は週末に飲むつもりだったけど、まぁいいか。
楽はにっこり笑うと、自身で冷蔵庫に缶チューハイを入れた。
夕飯まではもう少し時間がある。テレビでも見るかとテレビをつけると、ニュースが目に留まった。
『〇〇街、〇〇区で通り魔が捕まりました』
・・・通り魔は実際、俺が殺したはずだ。
ということは、重がダミーでも容易したんだろう。
毎回どうやってんだか。
中学の頃もそうだったっけ。重に雇われた瞬間、俺じゃない誰かが捕まった。顔も知らない、名前も知らない何処かの誰かが。
「・・・通り魔、捕まったんだね」
楽は隣でぼそりと呟くように言う。
「あぁ」
俺は何とも思わず返事をした。
何か思った方がいいのはわかってる。けど、何も思えなかった。
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