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始まり
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「こーら、ゴミ蹴って遊んじゃ駄目でしょ!」
「だって落ちてたんだもん〜…」
学校帰りに俺、桐谷湖太郎(キリガヤ コタロウ)はそんな親子を見た。
男の子に散々蹴られて汚れていたその兎のキーホルダーはすまなさそうに道路の端に転がった。
俺はなんだかその兎が可哀想に見えた。
可哀想……?
いや、違う。もっと、こう……なんて言うんだろう…、
「誰かにとっては大切なものだったのかもしれないのになぁ。」
俺がその兎をぼーっと見ていると後ろからポツリとそんな声が聞こえた。
それだ、そんな感じがしたんだ、と声の主の方に振り向くとそこには俺の家の隣の住人がいた。
「ね?」
彼は少し悲しそうに、そして困ったように俺に微笑んだ。
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