アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
隆彦side
-
初めは興味なんてさらさらなかった。
中学に入って1ヶ月ぐらいたった頃からある1つの噂が流れた。
【無感情の姫】
笑いもしなければ喋りもしない。
何を考えているのか…いつも本を読んでいる小さくひ弱な少年。
そんな噂どうでもよかった。
だいたい俺は6組そのお姫様は1組。会う機会なんてそうなかった。
だから気にもとめずに普通に生活をしていた。同じ部活で同じクラスの郁人ともこの頃から一緒につるむようになった。
普通に恋人がいた時期もあった。
成績が言い訳ではなかったがそれなりにクラスの奴らとも仲良くなった。
そして1年がたち俺らは2年になった。
隆彦「あーこれから2年生か~。時が経つのも早いもんだな~」
郁人「隆彦ジジくさいよ?あっ,俺らまた同じクラスだよ」
隆彦「おっほんとだ」
郁人「ん?」
隆彦「どうした?」
郁人「同じクラスに森山遥くんいるじゃん」
そう言われクラス表をよく見る。
ほんとだ。まぁ気にしなくてもいいか。
その時はそれくらいにしか思っていなかった。
その後ちょと友達や先輩とかと話してから教室へと向かった。教室のドアを開けると窓側の一番奥の席に本を読んでいる小柄な男の子が座っていた。
その時一瞬で分かった。
あぁこいつが噂の無表情の姫か。
ふとその姫が顔を上げこっちを見た。
隆彦「ッッ」
思わず目を見開いた。
その瞬間俺は森山遥に恋に落ちていた。
郁人「うわ~ほんとに可愛い顔してるのに無表情だ」
隆彦「そうだな」
それからバレない程度によく見るようになった。
そして気づいた。
森山は郁人に興味を持っていること。
初めは教室で郁人と話している時ふと視線を感じ見てみると郁人のことを見つめている森山の姿があった。
その時は気のせいかと思ったけど部活の時図書室の窓から優しく笑いながら郁人に視線を向けている森山を見て確信した。
あぁ俺は面倒臭い恋をしてしまったようだ。
そして夏休みを間近としたある日の放課後。
初めて森山の声を聞き微笑んだ顔を見た。
郁人の熱がきっかけで俺たち3人はよくつるむようになっていった。
これから先もし遥が郁人よ関係が何らかの形で変化しても2人と友達のままいられるだろうか。いやいなければいけない。
遥や郁人とこれからもずっと爺さんになっても仲良くやっていきたいからな。
当たり前のように来ると思ってた未来。
俺は信じて疑わなかった。
本当は今この時も遥が苦しんでるなんて,この時の俺は…いや俺たちは知る由もなかったんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 222