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昔の夢11
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部屋に置いてあった服を身に纏う。
…置いてあった服は白のワンピースに薄ピンクのもふもふした上着。白のふわふわマフラーとボンボンのついたニット帽。黒の靴下に白のブーツ。
女の子ものだ。
着るものがないので大人しくそれを身にまとい部屋を出た。
外は異常なほど寒かった。
チラチラと雪も降っており下には軽く積もっている。
窓がなかったのはここが地下だったから。
繁華街からはどうやら結構離れていて当たりは街灯の明かりだけが光ってる。
白い息が空に出ては消える。
ふと公園が目に入り時計があるかもと早足で向かう。
あぁなんだかあの日みたいだ。
3歳と10歳の夜のように思えてくる。
時計はもう3時近くになる。
僕が店から出てもう5時間は経っている。
「そこにいるのは誰?」
遥「ッッ!!」
雲から月が出た時,公園の入口に立っている僕より少し背の高い男の子がそこなはいた。
遥「…」
「もう3時過ぎてるけど…なんでこんな人気のない公園なんかにいるのさ」
遥「人のこと言ってるけど君だって夜中にここにいるじゃない」
「ははっそうだね,俺は別に僕の家から君が見えたから…」
遥「それだけで来るなんて相当のお人好しかバカだね…」
「君が…泣いてるように見えたんだ」
そう言った少年は僕に近づく。
眉を下げ困ったように笑いながら。
そんなことは無い…そう言いたかったけど…事実僕は今それを否定できるほど強気ではない。
遥「…。ねぇ,ここの近くの繁華街知ってる?」
「繁華街?知ってるけどどうしたの?」
遥「そこに家があるんだけどどっちに行けばいいのか分からなくてさ…」
「ふーん,それならここを真っ直ぐ行ったところに普通にあるけど」
遥「ありがと…じゃあ」
「あっ,名前……って行ったゃった。誰だったんだろうあの女の子。まぁ同い年ぽかったから会えるかな」
急いで急いで,早くシンに会いたくて…。
あの優しい腕の中に帰りたくて。あの声でちゃんと僕が存在していることを証明して欲しくて…。
雪で何度か転んだけど…膝から少し血が出てるけどそんなこと気にならなくて。
やっと見えてきた繁華街はもういくつか店は閉まってた。やっとの思いで付いた店の看板は何故かしまわれてなくて…。
でもそんなことどうでもいいほど急いで店に入った。
扉を開けたのに鳴らない鐘が少し気になったけどそれよりも店がグチャグチャなことよりも目の前にいる後ろ姿の求めていた人の名前を必死に呼んだ。
遥「シン!!」
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