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困ってます2
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和也「早く戻ろーよ!!」
拓也「ちょっ!!前見て前!!」
和也「へ?」
遥「え?」
«ドン»
和也「うわっ」
遥「ッッ…痛た~…」
角から物凄い勢いで走ってきた男の子とぶつかり僕は尻餅を付いた。…いや飛ばされて尻餅を付いた。
僕より背が高いためなのか思いっきり鼻を打った。
持っていた書類はその場に派手にばら撒かれまだ何枚かがヒラヒラと落ちてくる。
痛い鼻を抑えながら立ち上がろうとすると目の前に手が伸びてきた。
拓也「大丈夫ですか?」
声が上から降ってきて鼻を抑えたまま上を向く。
そこにはさっきぶつかってきたことそっくりな違う男の子が立っていた。
遥「大丈夫です…すみません。そちらこそ後ろの方は大丈夫でしたか?」
拓也「あぁ…あれは自業自得なんで心配いりませんよ。バカの怪我はすぐ治ります」
そう言いながら片手で軽々と立たせて貰った。
中学生に軽々と立たされる自分ってどうなんだろう。
そんなことを思いながら下に落ちた書類を拾う。
大輝「ほら…」
遥「…ありがとうございます」
そっくりな2人と一緒にいた背の高い男の子が書類を拾って僕に渡してくれた。親切な人達だな…。
拓也「ところで…なんで中等部の校舎に高等部の先輩がいるんですか?」
遥「それは先生に頼まれてこの書類を職員室まで届けに…」
和也「職員室?それってここから結構離れたところにあるけど」
遥「うっ…」
痛いところをつかれた。
視線を斜め下に逸らしてみる。
大輝「迷子?」
ピクリと肩を揺らしてしまった。
…しばらく沈黙が続く。仕方ないじゃないか。好きで方向音痴をやってるんじゃないんだし。
遥「…職員室の場所…教えて貰ってもいいですか?」
苦笑いで聞く。
恥ずかしい…恥ずかしすぎるよ。
拓也「良かったら書類を運ぶの手伝いましょうか?」
遥「え?…いやそれはいいですよ。流石にそこまでしてもらうのは申し訳ないです」
拓也「でも見た感じ場所教えても迷いますよね?」
遥「いや,それは…」
拓也「それに…さっき僕の弟とぶつかって足首捻りましたよね?…さっき立つ時右足でたとうとしたあと左足に変えてましたし…」
正直驚いた。
すごい観察力だと。怪我のことは悟られないように隠してたのに。顔に出してもいない。
遥「ふふ,凄い観察力ですね」
和也「嘘…絶対俺のせいじゃん。俺も運ぶの手伝いますよ」
遥「いや別にいい…ってちょと?」
僕がギリギリ持てた書類を軽々と持ち「こっちですよせんぱーい!!」と先に歩き始めてしまった。
断りきれなかった。迷惑をかけてしまったな。
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