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突然の恐怖 side:名瀬 (できちゃった?!番外編)
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その連絡がきたのは、雑誌の取材を終えた直後だった。
慌てたような俺のマネージャーの声。
「智希!!洸介くんが襲われたらしい...手が出せないからお前に来て欲しいって」
「は...?なに、言って...?」
突然の事に頭がついていかない。
洸介が襲われたって...どういう事?
「とにかく、テレビ局行って洸介くんのマネージャーに詳しい話は聞け!」
仕事はまだあったが、どうにかしてくれるようだ。
急いで着替えて、自分の車でテレビ局まで行く。
相手は多分、最近話題に出てた柳だろう。
あれから何度か見かけたって言ってた。
悪い噂しか聞かない。
恋人と一緒に、自分が気に入った相手を無理矢理襲って、金で事件にならないようにしてるとか、男女問わず、ペットみたいにしてる相手が複数いるとか...。
気を付けるようには言っていたし、マネージャーにも離れないように伝えていた。
洸介が俺との約束破るわけないから、何かがあったんだと思う。
とにかく無事でいて欲しい。
「洸ちゃん...」
駐車場に止めて、洸介のマネージャーに連絡する。
場所を聞いて、洸介の元へと走って駆けつけた。
「名瀬さん!!さっき二人が出ていったんですけど、俺は入らない方がいいって...」
嫌な予感しかしない。
深呼吸して部屋の中に入った。
瞬間、精液の独特の臭いが鼻につく。
ドアのすぐ側で裸で倒れてる洸介。
何があったのかなんて、聞かなくても分かる。
「洸ちゃん!!」
叩かれたのだろう...頬は赤くなり、口から血が出ていた。
震える身体、裸体には精液がかけられてる。
近づけば安心したように微笑んで目を瞑った。
そのまま動かなくなったのをみて、意識を失ったんだと気付く。
とにかくこのままだと何も出来ない。
マネージャーに濡れタオルを持ってきてもらった。
部屋に入ろうとするマネージャーを静止し、外で待つように言う。
こんな姿、絶対に見られたくないはず。
もらったタオルで身体を綺麗に拭く。
ウシロに指を挿れて精液を掻きだそうとするが、中には無いようだ。
傷もついてないようだから、中には挿れられてない?
それでも洸介の中のヌメリは柳のもの。
吐き出した精液を使って指を挿れたんだろう。
洸介にとっては恐怖だったはず。
普通の身体では無いんだ、きっと最悪の場合を想定してる。
全く目覚める気配のない洸介に服を着せて、ぎゅっと抱き締める。
自分の気持ちを落ち着かせてから、マネージャーを呼んだ。
「...相手は柳?」
「はい。一緒に歩いてたら、急に洸介さんだけこの部屋に引きずり込まれて...」
「何も出来なかった...と」
「すみません。名瀬さんが来たら入れてあげるって言われて、すぐに連絡させてもらったんですが...」
それで「手が出せない」か。
「それで...洸介さんは...?」
「最後まではされてないみたいだけど、暴力ふるわれて血が出てた」
「間に合ったんですね...」
「間に合ったって言えるかどうか。精神的にはアウトだと思うよ」
襲われた恐怖は本人にしか分からない。
傷付いてるのは確かだけど、目覚めた時に洸介がどんな反応をするのか、俺にも想像つかないんだ。
「とにかく病院で診てもらいたいんだけど」
俺の提案にハッとして、すぐに事務所へと連絡をいれた。
しかし会話をしてる表情が歪んでる。
これは...あまりいい返答をもらえないかもしれない。
「騒ぎにしたくないから病院には行くなと言われました。怪我が治るまでは名瀬さんも自宅待機でお願いします。事務所の方で動くから何もするな...と」
「...有り得ねぇ」
「すみません、上からの指示なので」
マネージャーが何も出来ないのは分かってる。
事務所が金で解決しようとしてるのが目に見えるから嫌なんだ。
洸介の意見も聞かず、決まった事を一方的に押し付けるのだろう。
辛い思いをしてるのは洸介なのに。
「事務所の方針は分かった。それならすぐに洸ちゃん連れて帰っていいよね?」
「はい」
事件の起こったこの場所にいつまでも居たくないだろうし、ここで目覚めたくないだろう。
洸介を抱きかかえて車まで行く。
顔は見えないように、俺の上着で隠した。
数人知り合いとすれ違い、どうしたのか尋ねられるが「貧血」とだけ答える。
洸介の為にも、この事件は誰にも知られてはいけない。
助手席に乗せて席を少し倒す。
まだ目は覚めない。
出発しようとしたところで、マネージャーが慌てた様子でやってきた。
「名瀬さん、ちま君忘れてます!!」
その一言で初めて智稀の事を思い出す。
ーそうだ、洸介が連れてきてたんだった。
いくら洸介の事で頭いっぱいだったって言っても、わが子を忘れてたなんて...親失格だな。
マネージャーが花田さんと連絡とってくれて、洸介の具合が悪いからと今夜は預かってもらう事になった。
明日の朝一に家へ連れてきてくれると言う。
本当に有難い。
家に帰り、そっとベッドへと寝かせた。
赤くなっている頬を触る。
正直、ここまで酷いことされるとは思ってなかった。
もし手を出したとしても、アイドル相手に傷が残るような事はしないだろうと、勝手に想像して最悪の事態を想定してなかった。
突然、眠ってた洸介の顔が苦痛に歪む。
「やめっ、やぁぁぁぁ!」
思いっきり叫び、俺の手を振り払い暴れ始めた。
パニックをおこしてる。
落ち着かせたくて力いっぱい抱き締めた。
「とも...?」
柳では無いと分かったようで、力を抜き目を開ける洸介。
俺の顔を確認して、涙が溢れ出てきた。
「もう、大丈夫だから」
背中を擦りながら大丈夫だと声をかける。
涙は止まらない。
「こんな、酷いこと...」
洸介は不安と恐怖に支配されていた。
きっと初めて暴力をふるわれて、俺以外のヤツに触られて、もしかしたら赤ちゃんできちゃうかもしれないって...。
多分自分ではどうしようも無いくらい怖くて、不安でいっぱいになってる。
それを取り除く為に洸介を抱いた。
柳に触られた感覚なんて忘れて欲しかった。
柳との行為でできる可能性は殆ど無いだろう。
だからこそ、上塗りしてあげたい。
たっぷりとウシロを解して、洸介から俺を求める声が聞こえ始めた頃、久しぶりにゴムを付けずに洸介の中に挿入する。
「もし...今日子どもが出来たら、絶対に俺との子どもだから」
一番不安に思ってたのだろう。
その一言を告げた瞬間、洸介は涙を流して頷いた。
何度欲望を吐き出したか...分からないくらい洸介の中は俺の精液でいっぱいになっている。
疲れきってぐったりとする洸介。
「もう、限界?」
その質問には無言で頷いて答えた。
初めからその気で抱いたんだ、こうなるのは当たり前。
柳との行為なんて、俺との情交で忘れてしまえばいいんだ。
洸介の中から出て、いつものように精液を掻きだそうとすると、洸介が珍しく身をよじって嫌がった。
「洸ちゃん?」
「今日はイヤや。このままでいい」
洸介の口から聞く初めての拒否の言葉に驚く。
自分がどうなってもいいから、俺のを中に残しておきたいって...それほど、俺を求めてる。
だけど、それを許すわけにはいかない。
「...ダメだよ。お腹痛くなっちゃう」
「でもっ」
「ダメ」
洸介の気持ちを尊重してあげたいけど、体調を考えたら絶対にダメだ。
強い口調に諦めたようだ。
力を抜いて身体を俺に預けた。
身体もシーツも綺麗にしてから、服を着せてベッドに寝かせる。
シャワーで綺麗にしてあげたかったけど、このままがいいって洸介の希望。
「ともの匂いがするから」なんて、健気と言うか...なんとも可愛らしい一言にもう一度抱きたくなる。
流石にそれは望んでないだろうから、我慢するけど。
きっと今は目一杯甘えたいはず。
柳から与えられた恐怖を忘れるくらいに。
智稀の事を思い出して一瞬親の顔になったが、花田さんに預けてると言うと安心して擦り寄ってきた。
久しぶりに恋人全開な態度。
本当に可愛くて...求められるまま何度もキスをした。
洸介は、触れるだけの軽いキスも舌を絡ませるような深いキスも、どちらも好き。
それだけでトロットロになるくらい感じてくれるから、俺も洸介とのキスは好き。
もう力が入らないくらいに蕩けてる。
「もう一回、する?」
断られるの分かってて聞いてみたら、案の定真っ赤になって首を振られた。
キスはいいけど、それ以上は無理って事ね。
あぁ、本当に可愛い。
洸介が力尽きて眠るまで、ずっと口付けを交わした。
幸せそうな顔して寝息を立てて眠る洸介。
少しでも傷が癒されてるといいけど。
汗で張り付く髪の毛を掻きあげて、額にキスをする。
このまま洸介の気持ちが落ち着いてくれることを願って...。
ぎゅっと抱き締めて眠った。
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