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僕と待ち合わせ。
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次の日の朝。
僕は早く起きてしまった。
集合が10時なので、9時に家を出ようと思っていた。
だが、時計を見ると、まだ7時だった。
何をすればいいのだろうか。
そうだ。 着ていく服を決めよう。
いつも、制服か部屋着しか着ていなかったので、
外にきていくような服は、奥の方にしまっていた。
服を引っ張り出すと、
思っていた以上に種類が少なかった。
この中からどう選べというのだ。
きっと霧咲君はカッコいい服を着てくるのだろう。
けれどその隣に僕がいたらどうだろう。
姿も服も変な人がいたら、嫌でも目立つ。
どうしよう。
「真白〜? どうしたの〜?」
突然背後から声をかけられ驚く。
「あら? そんな服広げてどうしたの?」
声の主は母だったようだ。
この状況をどう説明したらいいんだ。
「...えと...友達と遊びに行くから....服を.......。」
「あらぁ〜! すごいじゃない!
服で悩んでるんだったら、私が選んであげるわ!」
母はものすごい勢いで話に食いついてくる。
僕が母の着せ替え人形になっていると、
時計の針は8時を指していた。
「...あの.....母さん...そろそろ準備したい......。」
「あら! もうそんな時間!? 早く準備しちゃいなさい!」
そんなに急がなくても良いのだが、
この機会を逃すと集合時間に遅れてしまうため、
出かける準備を始める。
姿見で自分の姿を見ると、
思っていたよりひどいことにはなっていなかった。
母に服を選んで貰ったおかげだろう。
しかし、自分で言うのもなんだが、
制服を着ていないとないと、
男か女かわからない感じになってしまっている。
背は低くて、細身、色白で女顔。
ここまで揃っていると、嫌になってしまう。
リビングに行くと、朝食が出来ていた。
「真白〜。 良い友達が出来て良かったわね〜!」
朝食を食べていると、母に話しかけられる。
「高校に入っていじめられてないか心配だったけど、
真白も成長してるのね。」
そんなに心配をかけていたのか。
知らなかった。
出かける準備を終えると、
ちょうど9時になり、家を出る。
待ち合わせの駅へ向かう道は、いつもと違って見えた。
待ち合わせの駅に着いた。
早くついてしまったようで、時間は9時40分だった。
こうやって休日に外に出るのはいつぶりだろうか。
しかも、友達と遊ぶなんてことは初めてだ。
こういう時はどうすればいいのだろうか。
「まーしろっ!」
「....へにゃっ.....!」
いきなり誰かに後ろから肩を掴まれる。
「真白〜。 驚き過ぎだよ〜! へにゃ! だってぇ〜!」
恐る恐る後ろを振り返ると、上機嫌な霧咲君がいた。
心臓が飛び出るかと思った。
「...驚かさないでください.........!」
「ごめんね! ついやってみたくなっちゃって。」
彼は悪びれもなくそういう。
「真白は昨日服が心配とか言ってたけど、
全然普通だね。」
「....母さんに....やってもらったんだ......。」
彼の普通は心配になる。
今になって気づくが、
霧咲君はかっこいい雰囲気を醸し出していた。
半袖の白いシャツの上にベストを羽織って、
ハットを被り、
黒いスキニーのズボンをはいていた。
僕とは大違いだ。
「さっ! 行こうか!」
彼は僕の手を握り、早くくるように催促する。
「..は...はい.....。」
今日は霧咲君に迷惑をかけないようにしなければ。
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