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せっかくの昼休みの、楽しい空気がガラッと変わった。
未だに俺を見てコソコソと話す声が聞こえるし、あからさまな視線を感じる。
千里がいた時は、まだ女子達のキャッキャ言う声がしてたのにいなくなった途端にこれだよ.......はぁ。
さっきまでお腹が空いていたはずなのに、一気に疲労感が襲ってきてなんかもうお腹いっぱい。お昼どうしよう。
俺が高校に上がった時から、母さんは弁当を作らずにお昼ご飯代だけを俺に渡すようになった。
まぁ、千里には作ってやってるみたいだけど。
でも別にどうでもいい。ご飯代くれるだけまだマシだ。
いつも学校に来る途中でパンとかおにぎりとかを買うんだけど、今日は突然の千里の訪問でどっと疲れて食欲が失せた。
.......次の時間割なんだっけな。
ふと気になって後ろの黒板に書いてある時間割表を確認する。
.......................うげ、体育だ。
体育の時は、チャイムが鳴る前に着替えを済ませないといけないからめんどくさい。
しかも、2年生に進級したばかりだから
授業の内容はスポーツテスト。
全然楽しくない。
中学の時はまだいい記録を出していたからちょっとした自慢だったけど、どうせ今年も千里に全種目負けるんだろうな。
つらい。
ご飯食べた後にすぐ動くのはキツイと思ったから、もう今日は
お昼ご飯は食べないことにする。
買っておいたカフェオレだけを少し飲もう。
ぷすっとストローをさしてカフェオレを飲んだ。
ふわっとした甘さが口の中に広がる。.......美味しい。
よし、これで糖分補給したから多分体育は大丈夫。
テキトーにやってテキトーに終わろう。
目立たず、当たり障りなく、空気のようにやり過ごそう。
千里と比べられないように。
................心配するな俺。
もう誰も俺なんかに期待してないから。
目立たないように意識するなんてことしなくても、みんな最初から俺なんか見ちゃいない。
太陽さえ光っていればいい。
石ころはおとなしく道端に転がってます。
................なんてね。
1人でセンチメンタルな妄想をしてたことにちょっとおかしく感じる。まぁ、妄想なんかじゃなくて事実なんだけど。
ガタッと席を立ち、体操服が入ったサブバッグを肩にかける。
そのまま教室を出てまっすぐ更衣室に向かった。
まだ視線を感じるような気がした。
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