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部屋に入ってきたのはカポネの側近のサコさんと、眠たげなルチアーノだった。
(なんでルチアーノがここに?ボスは何を考えているのだろうか...)
「来たな、ルチアーノ。ご苦労だったなサコ。お前は下がっていい」
「わかりやした~。それじゃ、失礼しました~」
―ガチャン
サコさんが部屋を出た瞬間ピリッと張り詰めた空気が漂う。ランスキーとルチアーノは息を飲んだ。
「「……」」
「それでは用件に入る」
「「...はい」」
「今日からお前らコンビ組め」
「「...…はあ?!!」」
「どういう事ですか?冗談ですよね?」
「はぁ!?ボスまじで何言ってんすか?!このドケチとコンビなんて組んだら貧乏がうつっちまう」
「あぁ?!こっちこそシモの病気をうつされそうだ。絶対にコンビなんて組まない」
「ああ!?んだと!」
「あぁ?やるか?」
「ああ?!上等だ――」
―ダンッ!!
カポネが思いっきり机叩いた。
鬼の形相をしランスキーとルチアーノを睨みつけた。
2人はやらかしたと思ったが手遅れだった。
「てめぇらうるせぇ!!子供じゃねぇんだからごちゃごちゃ言ってねぇで、早く仕事行け!!」
「「...は、はい」」
「...はぁ。なんでこんな奴となんだ。最悪だ」
「あぁ!?てめぇ喧嘩売ってんのか?俺だって嫌だわ!こっち寄んな」
「はぁ…ごちゃごちゃうるせぇ!早く出てけ!文句ばっか言ってると給料減らすぞ!」
「...失礼しました」
「...チッ」
―ガチャン
ルチアーノとランスキーはブツブツと文句を言いながら部屋を出た。
2人は無言でそれぞれの部屋に向かった。
お互い早く部屋に戻り、休息を取りたいと思っていた。が、2人は、部屋に戻る途中で同僚達に会いからかわれた。
いつの間にか情報が伝わっていたらしい。きっとサコさんだろう、などと思いながら2人は同僚を無視しそれぞれの部屋へ入っていった。
疲れきってる2人とは裏腹に組織内ではルチアーノとランスキーの話題で持ち切りだった。
ヤリチンのルチアーノとドケチのランスキー。
組織の実力2トップがコンビを組むなんて話に食いつかない者などいない。
皆2人には期待していた。
あの2人がコンビを組むことでこの世界での知名度が上がり、ボスの名やファミリーの名が世間に広まる。
そうすれば、自分達に回ってくる仕事も増えるし、周りの組織がうちに牙を立てなくなる。この世界で今以上に忙しくなるかもしれないが、仕事が少しばかりしやすくなるからである。
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