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2人の元へ戻ると心配していた。
陵『遅かったね。』
晴美『迷っちゃった?』
そんな2人に首を横に振って答えた。
空葉『僕に周りを案内してくれたんです、こういう所初めてで…心配かけてすみません。』
空葉は申し訳なさそうに頭を下げる。
晴美『あらあらっ、仲良くなれているみたいで良かったわ!』
本当に嬉しそうな顔で、嘘をついた事に胸が傷んだ。
陵『空葉は一人っ子だったから、沢山甘やかしてやってくれ。』
孝輔『はい、是非。』
久々に見る父さんの幸せな表情。
僕には母さんが死んじゃってから、父さんにあんな幸せそうな顔をさせてあげる事が出来なかったからなんとも言えない感情が心の中でぐるぐるしていた。
そして空葉の変な様子に気付いたが、その場で問い質すことはしなかった。
陵『今日はもう遅いからお開きにしようか。』
晴美『空葉ちゃん、今日は会ってくれて本当にありがとう。すごく嬉しいわ。』
空葉『御礼を言うのは僕の方ですよ。晴美さんと孝輔さんの、優しい人柄に安心しました。』
そういつて微笑むと、両頬をムニムニされた。
晴美『んもぅっ、本当に可愛いわね!!』
そんな光景を見て楽しそうなお父さん。
それからはお互いに帰ることにした。
父さんの車に乗り込もうとした時、声をかけられた。
孝輔『空葉。』
あの低い声で呼ばれて心臓が跳ねた。
空葉『何ですか?!』
孝輔『これ、俺の連絡先とかその他諸々。追加しとけよ?』
サラッと話が進んだが、孝輔さんの耳が少し赤くなっていた。
可愛い…
空葉『はいっ。』
返事をすると、満足そうに自分の車に戻って行った。
それを隣で見ていた陵。
陵『空葉の事、気に入ったみたいだな。』
空葉『へ?!』
陵『孝輔君が人の事を気に入るなんて中々ないのに凄いな。』
そうなのかな?
でも、お父さんも気に入られてそうだ。
空葉『まぁ僕のお兄さんになる人が孝輔さんで良かったよ。』
そんな空葉をクスッと笑った。
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