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悲しみによく似たそれ
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「圭、愛してやるからこっちに来いよ」
「うん・・・」
仕方なく返事をし、柊弥に近付く。
柊弥は圭が近くに来ると、強引に腕を取り押し倒した。
ああ、またか。
今日はどれくらい耐えないといけないのかな。
強引に押し倒された事で、ドン、と音を立てる床。
そして圭に馬乗りになっては、ギラついた眼光を圭に向ける柊弥。
事を進めて行こうとする柊弥とは反比例し、ああ、またか。なんて、頭は冷静になっていった。
そして思考をシャットダウンさせた。
こういう時は何も考えてはいけない。
考えれば考える程、自分の首を絞めることになるのだ。
「な?圭、気持ちいいだろ。せっかく俺が愛してやってんだから、もっといい顔しろよな」
「っ・・・!」
いきなり自分の身体に、侵入してきた柊弥の質量と痛みにに、圭は息を詰め、顔を歪めた。
「・・・圭」
そう言うと柊弥は容赦なく、圭の奥を打ち付ける。
「・・・っは・・しゅ、や・・・いっ・・た、い・・」
「・・圭・・・圭・・・」
急に訪れた強い刺激に、圭の顔がより一層歪む。
息も絶え絶えに痛みを訴えるが、柊弥は、うわ言のように圭の名前を呼び視点の合わない目で、圭を見つめ、攻め続けるだけだった。
「・・圭、愛してる・・・もっともっと愛してやるからな。可愛い顔して、受け止めろよ」
そう言うと、何処から持ってきたのかも分からないような、所々錆び付いたカッターナイフを取り出した。
「・・っ・・・しゅっ、柊弥っ・・・やめて・・!」
これはまずい。
そう思った時にはもう遅かった。柊弥の顔が歪む。
「やめてだぁ?愛してやるってのに、生意気だな 。待ってろ、今もっともっと気持ちよくしてやるから。な?俺の圭。」
柊弥はニヤりと気持ちの悪い笑みを浮かべると、次の瞬間、迷うこと無く刃を圭の肩に突き立てたのだ。
「ひっ──────っ・・・あぁぁぁ・・ぃっ・・だ、ぃ」
切られた肩はじんじんと熱を持ち、出血している。
柊弥は、それを微笑みながら舐めとった。
もう、耐えきれなかった。
ひとしきり、僕の身体を切り付けると満足したのか、また激しく腰を打ち付け圭の中で達したのだった。
「・・圭・・・」
そう言うと柊弥は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃの圭の顔を優しく拭った。
そしていつのもように息が出来ない程、きつく圭の事を抱き締めた。
「圭、愛してるよ。圭。お前を愛せるのは俺だけだよ。」
まただ。
もううんざりだ。
柊弥はいつも圭を、酷く傷付けた後に、こうして優しくするのだ。
僕、もう分からないよ。
柊弥の愛してるって、なに?
優しくなんかされない方がいい。それなら一層、ずっと傷付けられていた方が、楽だと思う程には、圭の身体と心はボロボロだった。
「・・・ゎ・・・わか・・な・よ・・」
「圭?」
「・・・・・・ーーーっわからない!」
「圭・・・どうしたんだよ・・・」
「・・柊弥。分からないんだ。柊弥の愛してるが、僕には分からないんだよ。キツいんだ。優しくされると、もっと分からなくなるんだ」
「・・圭・・・」
「・・・・・別れよ」
「・・圭っ!何言って「僕達もう終わりにしよ。これ以上、柊弥とは一緒に居れない。さようなら 」
圭は、柊弥が言葉を言い終わらないうちにそう言うと、近くにあったTシャツを急いで被り、自分の鞄と服を掴み玄関から飛び出したのだった。
そこからはただひたすら走った。
何故だかは分からない。あんなに酷い事をされていたというのに、圭の頬には一筋の雫が伝った。
自分でも、酷くされた事に対して悲しくて泣いているのか、別れが惜しくて泣いているのかは分からない。
こうやって感覚が麻痺して人間は洗脳されていくのだろう。
「 あぁ、帰る場所無くなっちゃったな。」
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