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未知
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創矢を自分のベッドに座らせてホットミルクを飲ませた。
昔から元気がないときに創矢が俺にやってくれていたことだ。
さっきより震えが収まったようだがちびちびとミルクを飲む姿はまるで頼りない。
いつもの凛とした姿とはかけ離れているように感じる。
「…ありがとう」
急に素直な創矢にうまく反応できない。
「とりあえず落ち着いたか。早速だけどさっきのあれ…親父と何があった」
「…言いたくない」
創矢の声が恐怖を帯びている。
「でも…明らかにおかしいだろ。あいつもお前も。それに…」
あの時聞こえた声のこととキスマークのことは口に出すのを拒んだ。
「とにかくお前に話す必要はない。迷惑かけたな」
そういって立とうとする創矢の腕をとっさに掴んでしまった。
「ま、待てって。俺だって一応弟なんだし…ちょっと話すだけでも」
「っもういいだろ、離せ」
頑なに拒む創矢に苛立ってしまった俺は
「ゲイなのかよ!」
しまったと思った頃にはもう遅い。
そう放った瞬間、創矢が止まった。
まるで時間も止ってしまったようだった。
「…気色の悪いこと言うなっ!俺はゲイなんかじゃないっ!」
創矢は徐々に声を荒げそう言い放つと乱暴にドアを閉め、部屋を飛び出して行った。
その時の顔は怒りと悲しみとが綯い交ぜになっているようだった。
「…目、赤かったな」
どうしたら創矢を助けられる…。
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