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後処理。3 〜氷雨side〜
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「こ、こは……?あ、來ふくかいちょ……生徒会長……」
俺たちのことはインプットされているらしい。
「凪颯さんッッ!!すみません……私のせいで……ッ」
「えっ?いや、來副会長のせいではありませんよ。無警戒について行った僕の責任です。悪いのは、僕なんですよ」
ニコリと笑う編入生は儚げでどこかに消えてしまいそうな笑顔をしていた。
「ですがッッ……」
「それに助けてくれたのでしょう??」
助けてくれたことに心底嬉しそうな顔をしていた。
あんなことがあったのに人間はこうも笑顔でいられるのだろうか。
少し違和感を覚えた。
「本当にありがとうございました。平気ですし、友達に心配かけちゃうので行きますね」
にこりとすると立ち上がろうとして
案の定座り込んでしまった。
「あ、あれ??おかしいなぁ」
あはは、と気まずそうに苦笑いをした。
「俺が送っておく。來は理事長にこの件を伝えておけ。」
「分かりました。それでは、凪颯さん。お大事に。」
処罰をどうとか考えるのは今回來の仕事だ。
だから、俺はこの編入生を送っていくことになった。
しかし、立てないのは不便だ。仕方ない…
「おい、前か後ろどっちか選べ」
「え、えぇと、せいとかいちょ…う?」
「残り10秒だ。決めなければこちらで決める」
そして、俺は数え始める。
前はお姫様抱っこ。後ろはおんぶ。
果たしてどちらを選ぶかな?
俺はニヤニヤと数を数え始めた。
ぐるぐると目を回して、「えっ!?」となんのことかさっぱりわからない編入生を見るのは面白かった。
「ククッ、残念。時間切れだ」
結局決めれなかった編入生。
俺はお姫様抱っこをする事にした。
だってお姫様抱っこって恥ずかしそうじゃん?
ヒョイっと持ち上げると編入生は顔を真っ赤にして抵抗していた。
「なっ!?何するんですか!そんなっ!お姫様抱っこだなんて!ぼくっおとこっ」
「決めなかったお前が悪い」
真っ赤になって林檎みたいなそいつの顔はなんだか少し可愛い気がした。
無事部屋に着くと、同室者のやつとプラスアルファで何人か人が出てきた。
「おい!大丈夫か??」
「なぎちゃぁんっっ!!?大丈夫!?やられた!?やられたの!?」
「ううん、大丈夫だよ。生徒会の人が助けてくれたから」
「それは本当に良かった。」
編入してまだ間もないが、いい友達に恵まれているようだ。
「それでは失礼する。」
あとのことは大丈夫だろうと、去ろうとした時編入生が声を上げた。
「あっあの!生徒会長、今日は本当にご迷惑をおかけしました。ありがとうございました!」
ペコッとお辞儀をしている。
健気だなぁと思った。第一俺らの管理不足で起こっていることだし、編入生は何一つ悪さをしていない。
健気で素直な編入生になんとなく興味が湧いた。
「あぁ。紹介してなかったな、俺の名前は神崎 氷雨だ。覚えとけよ、黒宮 凪颯。」
そういうと、踵を返した。
少し自分の口角が上がっている事に気付いた。
これから楽しくなりそうだ…
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