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「おはようございます、お姫さま。
ご気分はいかがですか?」
にこっと、爽やかな笑顔を見せてくれたこの青年…
いや、男性。
確かお名前は…
「アーサーと申します。
あいさつは今日が初めてですね、
遅れてしまって申し訳ありません。」
「いえっ、はじめまして、アーサー様。
わたしはフィオリ様の元へ嫁ぎに参りました、サランと申します。
えっと、気分は良いです、」
ベッドの側でしゃがんでいる彼と、ベッドに横たわるサランの目線は同じ高さだ。
上から見下ろされることもなく、
威圧感などを感じない。
(アーサー様はお気遣いしてくださっているのですね)
「そうですか!よかった、お姫さまが具合が悪いと兄様が悲しみますから、安心いたしました!」
にこにこ
つられてサランもにこにこと微笑み返す。
「アーサー様はまるで太陽のようです…あ、
し、失礼しました、」
にこにこと朗らかに笑う姿は太陽のように明るく
あたたかい気持ちにさせる素敵な方だと思っていたのだけど、つい口に出してしまった。
(不快にさせたらどうしましょうっ)
「ふふっ、お気になさらないでお姫さま?
そう言ってもらえて嬉しいです!」
にこにこ
ほっ…。
この言葉にサランは安心した。
(やっぱり、アーサー様はお優しい方です…
フィオリ様の弟さんだと聞いて、怖い方を想像してしまったのですけれど…)
「キャウ?」
「…シャウッ」
「わーっ、チビたちおはようーっ、お目覚めかな?」
起きたらしいエルディオとティラシュアへ挨拶をして、
籠の中に手を突っ込んでもふもふを楽しんでいるようだ。
(やはり、とても良い人です。雰囲気もフィオリ様やレミルさんと違って…あれ?)
「…?お姫さま?どうかされましたか?」
琥珀色の瞳がこちらを見つめる。
「ギャウ?」「キャン」
籠の中から這い上がろうとする2匹もこちらを見つめる。
「あ、」
この3人の持つ瞳の色は
私の持つ瞳の色と
似ている…
「えっ?あ、お姫さま!?
レミルッ!!急いでこちらに来てっ!
お姫さまがっ!!!」
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