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ぽぽぽっと赤くなった頰を両手で隠し、
涙目で謝罪するサラン。
そんなサランを見た3人は
「(あはっ…お姫さま、真っ赤になってる)」
と、にこにこと微笑む者。
「(サラン様…フィオリ様…よかった……2人が結ばれて…。けれど、それではあのケダモノに効果が効きすぎます…)」
と、今後の彼の浮かれぶりを予測し、フィオリに目をやる者。
「サラン…」
妻がいじらしい
愛おしい
これが我のものなのか
の三拍子で急上昇した感情に戸惑う者。
と、三者三様であった。
「サラン、ならば我の腕の中にずっといろ」
「お、王様…でも…」
先ほどの返事をした王に、サランは嬉しくてぱっと顔をあげたが、会議から戻ってきたばかりの王の迷惑にはなれないとまた涙目になりかけた。
「(ばか、わたくしのばか。王様はお疲れなのです、今から会議後のお話だってあるはずなのですから)」
「サラン、我と目を合わせろ」
力強い声にそろ、と目を合わせる。
「んうっ」
あの綺麗な瞳を見つめていると、いつのまにか唇が合わさった。びっくりして一歩下がろうとしたサランだったが、まだフィオリの手は背中に回っていたため唇が離れることはない。
「ちゅむっ…あ」
鼻では呼吸できなくて、口をぱかっと開ける。
その口にフィオリはふっと息を口の中に吹き込む。
サランは喉に感じるわずかな刺激に体を縮こませると、
その隙を狙ってか、フィオリの分厚い舌が挿入される。
「ふぅん、っ、あ」
完全に立つ力を失ったサランを抱えると、フィオリはそのまま書斎椅子に座る。
「アーサー、今までの国の動きを」
「はい」
いつのまに用意していたのか書類を持ったままデスクを挟んで立つアーサー。
フィオリとアーサーのやりとりを見上げる。まだ口の中にはフィオリの熱い唾液がある。飲み込むタイミングがわからずもごもごさせる。
思えば性的要素のある行為は今まですべて一方的だった。痛むものばかりで、キスも気持ち良さを感じたことはなかった。けれど…
「(今の、ちゅう、体が熱かった…です…それに、王様の唾液…どうしましょう…)」
フィオリの胸にもたれながら考えていると、急に頭を撫でられる感覚が。
それは庶務中のフィオリからだった。嬉しくて微笑むと、口の端から透明な唾液が垂れ出した。
「っ、」
手で拭おうとするが、気づいていたかのように唾液は王に口吸いされることでこの一件は落着した。
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