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厨房に着いたとき、料理人に今後配膳するべき場所を教えるとともに、果実水をもらった。
「どうもありがとう。料理人さん。果実水も、いつもの
お料理も、とってもおいしいです」
「奥様にそう言われて光栄です。アーサー様にも御子様にも御目通りできて私は幸せ者です」
料理長はガタイの良い男だ。厳ついように見えるが歯を見せて笑うような親しみやすい人だった。周りにいる料理人もキラキラとした眼差しでこちらを見る。
「ギャウー!」「キャウー!」
ティラシュアはアーサーから、
エルディオはサランの肩から料理長に向かって身を乗り出そうとする。
きっと料理長の頭髪がないことに関心を寄せているのだと気づいたアーサーとサランは足早にその場を去った。
厨房で手を振ってくれる料理人たちが温かい人たちでよかったと思うと同時に子どもたちが粗相しなくてよかったと思ったサラン。
果実水が入った瓶とグラスが乗ったお盆を持ち3階へ上がる。レミルの部屋をノックして入ると、初めてレミルの横たわる姿を見た。
(よほどお疲れだったのですね)
ベッドの上で目を閉じたレミル。規則正しい寝息が聞こえ、開いた窓からそよ風がレミルの前髪を揺らす。
心地よく眠る姿にエルディオもつられて欠伸をもらす。
お盆はサイドテーブルに置き、サランは部屋を出る。
ドア近くで待っていたアーサーはティラシュアが眠ったことを知らせてくれた。
「私のお部屋に寝かせてきましょう…エルディオも…眠りかけていますね」
サランの部屋はレミルの部屋と変わらず大きな部屋に、壁一面の大きさを持つ窓がある。バルコニーからは遠くに森が見える。
ベッドに2匹を置き、2人は退室した。
「さてお姫さまどうしましょうか?」
城の散策は終わった。
「王様にお水をお持ちしたいのですけど…」
「兄様…今森に行ってますよ。見に行きますか?」
「森に??…はい、ぜひ」
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