アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15
-
地獄のような時間だった。達紀さんは何度も僕の身体を殴り付ける、180cmの長身で筋肉質の身体の達紀さんに僕が何が抵抗できるはずもなく、達紀さんが満足するまで僕は殴られ続けた。
「……っ…!!」
僕が目を覚ましたのは日付が変わったころだった。達紀さんは気絶した僕を介抱することなく、防音室に残して去って行った。僕はボロボロの身体に鞭を打って立ち上がる。僕はふらふらした足取りで防音室を出る少し歩くだけで全身に激痛が走る。僕は母さんを起こさないように足音を殺して自分の部屋に戻る。この日を境に達紀さんは僕に暴力を振るうようになった。しかも日に日に振るわれる暴力は酷くなる。
「……おい、ちょっと防音室に来い」
夜…家の廊下で達紀さんと擦れ違う。達紀さんは僕の返事を聞かずに、僕の腕を掴んで防音室に連れ込む。いつも僕に暴力を振るう時は僕の悲鳴が届かないように、母さんに気付かれないように、防音室で僕に暴力を振るう。
「…チッ…相変わらず嫌な目をしてやがる」
達紀は舌打ちしながら僕の鳩尾に膝を入れる。僕はお腹を押さえながらその場にうずくまる。達紀さんはイライラしながらタバコに火を付ける。今週末にあるコンサートで伴奏を頼んだピアニストの人と上手くいっていないせいか、達紀さんの機嫌はいつもより悪かった。
「ゲホッゲホッ…!!」
達紀さんは咳き込んでいる僕を冷ややかに見下ろしながらタバコを吹かす。達紀さんがなんでこんなに自分に自信がないのか僕は不思議だった。実際にヴァイオリニストとして、仕事は途切れないし、コンサートのチケットは基本完売で入手は難しい。
「…俺を哀れむような目で見てんじゃねー」
「あ、あ、あ"あ"づいいいいぃぃぃ!!!」
達紀さんは僕の首根っこを掴み、僕のうなじにまだ、火が消えてないタバコを押し当てる。僕の悲痛な悲鳴が防音室に響くいた。
「最近の赤城くんの演奏すごいな」
今度、参加させていただくオーケストラで僕と同じヴァイオリン担当の堀井さん、僕と同い年の息子がいるらしく、このオーケストラの奏者の中で1番若い僕を常に気遣かってくれる。達紀さんから暴力を受けるようになった僕はますますヴァイオリンにのめり込んだ…時には食事すら忘れ、ヴァイオリンを弾き続けた。例え、現実逃避のような努力だったとしても努力は僕を裏切らなかったのか、僕のヴァイオリンの腕はますます上達していった。
「お帰りなさい、陽」
「……母さん」
オーケストラの練習でくたくたになgて帰って来た僕を出迎えたのは仕事で忙しいはずの母さんだった。母さんは顔色の悪い僕を見て悲しそうに眉を寄せた。
「陽…あなた、最近無理し過ぎじゃない…今日は私が晩ごはん作って置いたからたまにはゆっくりしなさい」
母さんはキッチンに向かい晩ごはんの準備を始める。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 106