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冷たさと温もり。2
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俺がベッドから降りて勝手にリビングへ向かおうとすると後ろから颯斗さんもついてきた。
「棚木くん朝は、ご飯で大丈夫な人?」
「おう。」
キッチンに立っているのはさっきまでの眠そうな颯斗さんはいなくて、いつも通りな颯斗さんだった。
少しすると漂ってくるいい匂いに俺の腹の虫が盛大に鳴った。
「ッーー!!」
「もう少しで出来るから、待ってね。」
そう言って颯斗さんはクスクスと笑いながら料理を手際よく盛り付けていく。
なんか、癪に障るんだよなぁ…!
「はい。お待ちどうさま。」
テーブルに出されたのは色鮮やかな和風料理。
旅館で出てくるようなクオリティだ。
「ハイスペック野郎……。」
「なにそれ、褒め言葉?」
ボソッと呟いた本音が聞こえてたらしく少し慌てる。
「何でもねぇよ!…いただきます。」
その話を続けさせないように料理をどんどんと食べていく。
悔しいけどめちゃくちゃ美味しい。
そんな俺の様子を見て颯斗さんはニコニコ笑ってる。
「…そんなに見られたら食べづらいんだけど。」
「うん。そうだね。」
俺が言ってもなお嬉しそうな顔で見てくる。
なんだこいつ。
「なんで笑ってんの。怖いんだけど。」
「いやぁ、棚木くんの素が新鮮だから面白くって。」
俺の素……?
あぁ。そういえば、颯斗さんには酔いつぶれた姿と他人行儀な姿しか見せたことなかったな。
……あれ。俺結構、醜態晒してね?
「棚木くん?1人で百面相してどうしたの?」
「あ。いや、なんでも。
飯めっちゃ美味しかった。ありがとな。」
「いいえ。お粗末さまでした。」
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