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便利屋と熊【終】
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獏を外まで見送った後、俺は伸びをして店の中へ戻った。
いつも通りの開店準備を始める。ぼーっとしてると、昨日の晩が夢だったようにすら思えてくる。
獏は純粋で、真っ直ぐで、どこか危なっかしい所があって…子供だなって思う時も、びっくりするぐらい大人びて見える時もある。まぁ、前者がほとんどだが。
「…本当に夢だったんじゃないだろうな」
あまりに俺には勿体ない相手に、昨日どころか、獏に告白されたことすら夢に感じてくるぞ…。
ふとカウンターに目をやると、獏に渡す予定だった箱に入ったリロード用の弾丸を見つける。
「あ…!渡すの忘れてたな」
今から追いかければ間に合う!
俺は箱を持って、獏の後を追おうとして、止めた。
「……はは」
会う口実が欲しいだなんて、思考回路はいっちょ前に若者だよなぁ。
そうか。やっぱり俺はあいつの事が…。
…この気持ちは、夢じゃなかったと確信できるたまで閉まっておくことにしよう。
俺は弾丸を部屋の棚に丁寧に置いた。
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