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〈涼一side〉
あずさの恋人、清水さんに会おうと思った俺は、あずさを迎えに来るときに少しだけ話すつもりだったが、なぜか家まで連れてこられ。
清水さんの世話人の染谷と名乗るスーツ姿の男が『純佑様からタクシーに乗ってお越しくださいませ』と言い、タクシーを止め運転手に行き先の場所を伝え、お金を渡された。
『お金はあるんで払わなくても……』と言ったが聞いてはくれず、『将来のために取っておいてください』と言い、車の方に戻ってしまった。
後であずさに返してもらおう……と思ったんだけど、タクシー代は意外と高く今持っているお金では足りず、少し使ってしまった。
帰ってから小遣いから足して元の金額返そう……
目的地に着くと、そこにはごく普通の一戸建ての家が。
お金持ちだというからちょっと大きい家を想像していたが……
金を持っているだけであまりこだわりとかなく、お金を使わない人なのだろうか。
「ありがとうございました」
運転手さんにお礼を言い、外に出るとさっき声をかけてきた染谷さんが目の前に立っていて。
「ご案内します、どうぞこちらへ」
「は、はい……」
俺たちはそのままついていった。
「なんか、怪しくありません?金持ちとかいいながらこんな普通の家なんて……もしかして監禁場所とか!?」
「どんな妄想だよ……」
確かに少し怖いけど、あずさがそんな人と付き合ってるとか信じられないし……
でも心配なのには変わりなくて……
案内されたリビングに行くとあずさの姿が。
何だかさっきと違って顔が赤い。
しかも色気がある、無防備な顔。
ま、まさか……あの野郎に何かされたのか?
問い詰めてみたけど、はぐらかされてしまった。
『話がしたいんだよね?』と言われ清水さんの目の前に座らされ、『2人でどうぞ』という感じにさせられるが。
あずさの恋人だからといっても初対面だから何から話したらいいのか……
いきなり突っ込んでもいいなら話すけど……
しばらく黙っていると清水さんが『初対面同士なのに何であずさは入ってこないのか』と言い始め、あずさから俺たちのこと、清水さんたちのことをそれぞれ紹介された。
あずさが清水さんのこと『恋人』と言っていたが、それを訂正し『婚約者』だとはっきり言われた。
『婚約』どうこうというのはあずさの勝手な妄想ではなく、現実だったのか……
結婚に関しては半信半疑だったが、ここで本当だということがわかった。
清水さんたちの紹介が終わった後に俺の名前を聞くと異常に俺のことを聞いてくる清水さん。
何でそんなことまで聞いてくるのだろう。親のこととか……
親が清水さんの知り合いとか?でも母親は亡くなってるし、父親は知らないけど……
あ、景太の知り合い?何歳なのか知らないけど、それなりに年は上な気がする。
20代後半?30代前半?くらいに見える。
2人で話をしているとつかさが『俺を狙っている、危険だ』と判断し、俺を連れて帰ろうとする。
でもまだ聞いてないことだってある。だから帰るわけには……
そう思った瞬間、あずさが言った。
「純佑さんが涼ちゃんのことで何かあるのはわかったけど、後にしてくれない?別に純佑さんが俺のことどうでもよくて、涼ちゃんのこと聞きたいっていうなら、俺が帰る……」
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