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戸惑う青 2
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人狼は、怪我の治りが人間の数倍早い。舐めると更に早くなる。だから僕が怪我をした時は、ロウがいつも舐めて治してくれる。「放っておいても治るからいい」と言っても、嫌がっても、ロウは僕を押さえつけてまで、僕の肌に舌を這わせるのだ。
肩を上下させて、荒い呼吸を繰り返す僕を、ロウがずっと抱きしめている。顔を上げて、シャツから覗くロウの肩を見ると、見事に紫色に歯型がついて、血が滲んでいた。
僕は、シャツを掴んで歯型に顔を寄せ、舌を伸ばしてペロリと舐める。その瞬間、ロウの肩がピクリと跳ねて、僕の髪にキスを落とした。
「ルカ様、俺は大丈夫です。治さなくてもいい。これは、あなたが俺につけた印だから…。残しておきたい」
「でも…僕、かなり強く噛んだ…。血だって出てるし痛いだろ?」
「いい…。この痛みですら、俺には大切で愛おしい」
僕は眉根を寄せて、歯型を人差し指で優しくなぞった。クルクルと撫でた後に、グッと指で強く押す。瞬間、ロウの口から小さな声が漏れた。
「…う…」
「ふふ…、ほら、痛いくせに。痛みが愛おしい…って、よくわかんないよ。ロウは、やっぱり変だ」
したり顔で笑った僕の頭を、顔をしかめたロウが強く引き寄せる。そして、ロウが舐めて、傷口が塞がった赤い痕をカプリと噛んだ。
「あ…っ、や…め…、んぅ」
肩から全身へとゾクリとした痺れが広がり、僕の口から高い声が漏れた。
ロウの頭を押すけど離してくれず、ジワジワと痛みを感じ始めた頃に、ようやくロウの顔が離れる。
僕の肩を見ると、ロウの歯型がしっかりとついている。僕は、ロウを睨んで文句を言った。
「何をしてるの…?バカなの?」
「ルカ様の肌に、俺以外の奴が痕をつけるなど許さない。ほら、ご覧なさい。もうそこには、俺がつけた痕の方が大きい。それを見るたびに、俺を思い出して下さい」
「は?意味わかんない。どうせ噛むなら、白蘭の奴らがつけた傷を治さなきゃよかったのに…っ」
「だからっ、俺は…っ。いや、なんでもない…。ルカ様、後で念の為、薬を塗ります。それと明日はちょうど休みです。ゆっくり養生して下さい。家から出てはダメですよ」
「どうせロウが見張ってるんだろ?…勝手にすればいい」
僕が文句を言いながら顔を背けると、ロウが僕を抱き上げてお風呂場を出た。
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