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ショコラの歴史
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『ショコラトリー・アナ・ドートリッシュ』
ルイ13世の妃のアナ・ドートリッシュに因んだ名前である。
アナはスペインから輿入れした際、ショコラを持ち込んだことで有名。
『わたくしには、国王陛下とショコラのみに愛情があります』
その言葉は現在のショコラティエ・ショコラティエールや志願者たちの間に伝わっているほど。
当時、ショコラは飲み物となっている。無論、固形なわけがない。
リュカはアナ・ドートリッシュの生涯を知り尽くしているほど。
*******
「ルイはショコラ・ショーを本当に欠かせないよな」
マルセル、ダヴィッドは言う。
瑠衣はショコラ・ショーの飲み比べを欠かさない。
その日、瑠衣たちはお約束通り、数々のガトーを注文。
ガトー・ショコラ、ショコラ・フランボワーズ、フォレ・ノワール、フレジエ、クラフティ・リムーザン・・・毎月のスペシャリテであるプティ・ガトー。
そのプティ・ガトーは、ムースケーキ。サイドにマカロンが飾ってある。
「月ごとに変わるから楽しみだ」
スペシャリテは三種類の菓子が出る。
しかし、値段はかなり高い。
「ショコラ・ショーでもばかにならないね」
「最高級のショコラを使っているだけでなく、ショコラティエールという名前のポットに入れて、このように提供しているだろう」
「1519年、メキシコのアステカ帝国を征服した、コンキスタドール(征服者)のフェルナンド・コルテス。かれは先住民がカカオ豆の飲み物を飲んでいるのを目撃したんだ。アステカ人はさらに、唐辛子を入れて、強烈な辛さをもった飲み物にしていたほどだ」
「ちょっと、考えられないな・・・ところで、マルセルたちは食べ過ぎなんだけど!?」
マルセルとダヴィッドの皿の上のガトーは早々となくなっている。
その夜、ヴァローナのショコラを使って、瑠衣はショコラ・ショーを作った。
ダヴィッドもショコラ・ショーは欠かせないって言う。フランソワたちも例外ではない。
『寝る前のショコラ・ショーは、欠かせない。よく眠れる』
ダヴィッドやリュカは、ヴァローナのショコラを使って、自分でも作っている、という。
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