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「あぁ、猫耳とかのこと?してもらったことあるよ。前に付き合ってた彼女とか和泉にも。でも」
「ぼ、僕でしなくてもいいじゃないか!!」
僕は谷中君の声を遮り叫んだ。と、同時に我慢していたはずの涙が決壊しあふれ出ていた。
また胸が痛い、何本もの刃物が僕の心臓を傷つけえぐり取ろうとするかのように、酷い痛みだった。
「郁?」
「ぼ、僕じゃ、僕じゃなくても、誰でもよかったんでしょ?あんなにだ、抱き着いたり、ち、ちゅうしたり・・・・僕は何もかもが谷中君が初めてだから・・・・困るし・・・・僕を誰かの代わりにしないでよ!!!」
舌を向き床に落ちていく涙をただじっと見る。
床に染みをつくりジワジワと広がり消えていく。
僕自身が消えてしまいたいくらいだった。涙を羨ましく思い睨みつける。
「郁は・・・・誰かの代わりが嫌なの?俺がしたこと事態は・・・・嫌ではないってこと?」
「・・・・・・」
そうだ。猫耳を付けるのも、首輪と尻尾をつけるのも僕。抱き着かれるのも、キスをするのも僕だけにしてほしい。
僕だけに・・・・してほしい?
急に熱くなる頬、涙が嘘のように止まり今度は心拍があがり身体が火照りだす。
影が出来たと思えば谷中君は僕に近寄り、
「郁?ハッキリと言わないと分からないよ?」
棘があった喋り方が、いつもみたいに優しい谷中君の声に戻った。
そして言ってはいけない、呪いの言葉を僕は口にする。
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