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37〔裏番外〕ゆくえ……
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花のように色鮮やかに見えて、実は真っ白で儚い花。
狂った愛に歪められながら、無垢な純愛を願いその翼をむしり続けた小さな天使。
愛し合うことを望みながら、その心は孤独のままだと深い闇に沈められてしまっている。
誰かの存在を求めながら、1人で一生を生きなければならないだろうと背筋を伸ばしたままの小さな子供。
魔性マキは、お茶目に微笑みヘラヘラと日常を過ごしながら、ふとした瞬間驚くほど可愛らしく柔らかな子供っぽい表情をする。
そして時には、艶やかな花々が匂い立つような色気をだだ漏れにして、モブ共を魅了してしまう。
マキ「んっ、んぅっ、はぁ…神…さん、もっと…」
狭い車内でぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら、下も上も塞いでギシギシと車体を揺らす。
人通りの無い公園といっても、駐車場に停まってるのは一台だけ。
俺は助手席を倒してマキに覆いかぶり、マキの体が折れるほど足を持ち上げているが、柔らかいマキの体は、柔軟に全てを受け入れる。
マキ「あっん…、神さん、僕が上になるよ」
狭い車内では、俺の体は大きすぎて、どうやらマキの満足いく刺激を与えられないようだ。奥を緩く突くだけでは、もどかしく欲情するマキの表情は、マジで誰にも見せられないほど強力で目眩がする。
百目鬼「駄目だ。外からお前が見える」
誰にも見せない。
誰にもやらない。
これは俺のもんだ。
妖艶に欲情した表情が、クスッと笑って綻び幼くなる。自分を独占されることが嬉しくて恥ずかしいのだろう、そして、必死な俺が面白いのだ。
百目鬼「奥だけ突いてやる。好きだろ」
マキ「あんっ…、好き…だけど。神さんは足りるの?」
またしても俺の心配。こいつは学習能力が無いらしい。と、いっても学習能力の無さはお互い様だ。結局俺たちは、同じところをぐるぐる回りながら悩んで、学んだつもりで10分の1も理解してなくて、同じところでつまずく。だが、ほんの少しだけは学べてて…
百目鬼「俺は、お前が悶えてるの見るのが好きなんだ」
マキ「ッ!!」
百目鬼「グッ!!、いきなり締めるな」
マキ「馬鹿っ!」
百目鬼「誰が馬鹿だ」
マキ「神さんに…決まっ…アッ、アッ、もう!!。…ああんっ!!」
押し込めるようにマキの中に入り込む、奥の奥に届いているのに更に奥を目指してグイグイ推し進めると、俺の大きなものでいっぱいのマキの中がキュンキュン締め付けてくる。
マキ「ああッ!…ああッ!…深いっ…おっき…」
百目鬼「奥をグリグリされてイイのか?」
マキ「はぁん…んんっ…もっと…もう少し…」
もっともっとと強請るマキは自ら腰を動かしてさらなる刺激を求める。
カーセックスは狭いが、激しく乱暴にしない分理性を繋ぎ止めておける。そして、緩く突くだけのもどかしさに乱れるマキは、とてもエロい。
マキ「ああっ…、神さん…、もっとシてよぉ…お願い…」
百目鬼「残念だがお仕置きだ。胸も唇も前も可愛がってやるから、このままゆるい刺激に悶えてろよ」
マキ「やあんっ!ああっ!全部いっぺんって…あはぁあ…あっ…ずる…いんっ…はぁん…」
百目鬼「いいねその顔。歪みまくった可愛くてエロい顔」
マキ「ああっ…あっ…バ…カ…」
百目鬼「俺しか写ってない…」
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出張から帰って思わぬ喧嘩になってしまったが。
無事に仲直りして2日たった23時59分。
俺たちは全員菫ママの店に来ていた。
俺1人だけが、毎年のことだとソファー席の真ん中にゆったり座っていたが、檸檬と矢田と菫ママたちは、刻々と迫る時間に注目して、今か今かと秒針を数える。
檸檬「10.9.8.7…」
店の中には、割りと話す仲の良いおかまども数人と菫ママ、杏子と檸檬と矢田、雪哉と賢史と烏磨、そして、マキとキングが勢ぞろい。
マキは、俺の隣でちょこんと座り、今から始まるであろうことをワクワクしながら、なぜか緊張気味にキョロキョロして、膝の仲のキングをキュッと抱きしめた。
矢田「6.5.4.…」
俺の隣にマキが居る。
恋人のマキが、俺の隣にいる。
こんな日が来ようとは…
雪哉「3!」
賢史「2!」
菫ママ「1!!」
全員「お誕生日おめでとう!!」
大合唱で始まったのは、俺の30歳の誕生会。毎年菫ママと矢田が主催している。
0時過ぎたと同時に大声でお祝いして歌ってくれる仲間たち、そして、雪哉が今年も誕生日ケーキを作って来てくれた。
騒がしい奴らは、みんな、何かしら付けてドンチャンしたいだけ。オカマどもと、俺らを入れたら、毎月誰かしらが誕生日で、こんな感じだから、俺にとってはいつもと変わらない光景だったが、マキには違ったみたいだ。
マキ「わー!!素敵!!お店がバースデーの飾りでいっぱいで、雪哉さんの美味しそうなケーキに菫ママの料理、スッゴイ素敵!!」
いつも以上にキラキラ輝いた子供っぽいマキは、テーブルを前のめりに覗き込んで大興奮。
マキ「いいなぁ〜百目鬼さん♪、美味しいものいっぱい食べられるね♪」
そう言いながら、雪哉作の誕生日ケーキを凝視するマキ。特大サイズの30人分あるケーキは、甘党のマキにとってもっともっと気になるんだろう。
マキ「ふふふ、こんなの初めて♪♪」
楽しそうなマキを見ると、自分の誕生日も悪くないなと思えてしまう。
10月27日。
俺は、30歳になった。
30年生きてて初めて、恋人のいる誕生日。
マキと居る誕生日だ…
そして、
俺たちのゆくえを決断する日…
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