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体育祭と俺たち〜修二〜
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僕ちゃんが間に入っても、むつはマキのジャージを掴んで離さない、するとむつの体がふわっと浮いて、手が離れた。
むつ「わっ!?」
吉良「なにやってんの」
背後から現れたのは、白のハチマキを巻いた吉良。不機嫌に眉を寄せ、むつをマキから引き剥がした。
細い目で僕とマキを眺め、ニコリとしたままため息をついた。
吉良「どっから湧いた?今日は修二にじゃれついてるのか」
マキ「こんにちはぁ♪今デートの約束してるとこでーす」
うぅ…、二人とも笑ってるのに空気がピリついてて怖い…。マキのやつ吉良さん弄って遊ぼうとしてない?なんて怖いもの知らずなんだ。
むつ「マキ!修二は貸さねぇーぞ!」
吉良「はいはい睦美、冗談だよ、こいつはイタズラしてむつの反応を楽しんでるだけだよ、いちいち構うな」
むつ「いや、こいつはヤる!ヤるって言ったらヤる男だ!」
マキ「そうなんですぅ、俺出来る男なんですぅ♪」
いやー!!嵐が来そう!誰か助けてぇ!!
マキが僕ちゃんを抱き寄せ、それをむつが引き剥がそうと威嚇するのを吉良が何とか止めている。赤の陣地内でピリつく彼らは、周りから距離を取られて、今にも殴りかかりそうなむつにビクビクしていた。
そこへ、騎馬戦終わった生徒達がぞくぞくと帰ってきた。
華南は、自分の陣地に帰るため通りかかった赤組陣地に唖然としていた。
華南「うわ〜、なんか凄いことになってる」
雷太「あの綺麗な人、誰ですか?」
華南「雷太眼科行ってこい、ありゃ悪魔だ」
雷太「え?ぇえ?!」
体育祭は、マキの出現で校庭以外のバトルが勃発し、休む暇もなく進行して行く。
マキは、陣地に帰ってきた雷太を品定めするみたいに上からしたまで眺め、ペロリと舌なめずりしたかと思ったら、僕ちゃんの耳元で怪しく呟く。
マキ「あの犬コロ君大きそうだね♪」
マキ…、健全な運動会の午前中に何を言ってるの?もうやだ!誰かこの子引き取って!!
そうこうしているうちに、3年全員参加の100m走で移動があり、僕らが移動し始めると、マキは赤組陣地の椅子に座ったままこちらにひらひら手を振った。もちろん他校生のマキが競技に参加するとは思わないが、こいつを置いて行くのはそれはそれで不安だ。
むつ「雷太、そいつ見張っとけ!!」
むつが雷太にそう命令すると、雷太はすかさず敬礼して、マキの腕を掴んで監視役を引き受けた。
うわ〜、なんか超心配。雷太食べられちゃうんじゃないだろうか?
マキがニコニコ雷太に捕まっているのが気にかかる。
修二「マキ、イタズラすんなよ!」
吉良「そいつやるから睦美にちょっかい出すな」
修二「吉良さん!」
吉良「ははっ、怖い怖い」
冗談ぽく笑っていたが、僕ちゃんには吉良さんが本気だったように思う。
後ろ髪を惹かれたが、ニコニコ笑うマキと、マキの危険性を全く知らない雷太を残し、僕らは校庭の入場門に向かった。
運動得意な僕ら3人は、結局全員1位。飄々として本気で走らなかった吉良さんはビリ。そして、運悪く華南と当たった克哉は2番になった。
克哉「ちっきしょう!後ちょっとだったのにー」
華南「残念残念、お前にゃ負けねぇーよ」
ワイワイしながら席に戻ると、僕ちゃんの座ってた席にマキが1人で待っていた。
修二「…」
むつ「あれ?雷太は?」
ニコニコしているマキは、にこやかに校舎の方を指差した。
マキ「お手洗いだよ♪」
ヒィーー!!
マキのやつ雷太に何したの!?
僕と華南は雷太の安否が恐ろしくてその場で固まった。
やっぱりこいつを野放しにしとかなきゃよかった!!
むつ「何だよ雷太の奴、見張ってろっていったのに」
むつ君!雷太の心配してあげて!
マキ「あは♪体育祭楽しいね♪」
修二・華南(お前は他校生だろうが!!)
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