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番外編81ひと夜咲く純白の花の願い
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明るい光が部屋いっぱいに差し込んでいた。
部屋のカーテンを開けたまま眠ったために、太陽の光が部屋いっぱいに注がれ、心地よい眠りは妨げられた。
マキ「ん…」
ふるッと身震いして、肌寒さに温もりを感じる方へ擦り寄る。
暖かい温もりは、擦り寄るマキに気がついて、掛け布団を肩までかけ直した後、大きな腕の中に包み込んだ。
温もりに安心したマキが再び眠りに落ちそうになったその時。
ーピンポーン!
ーピンポーンピンポーン!!
矢田『どぉーめきさーん!!』
マキ「ふぇ?」
百目鬼「…チッ、騒々しい…」
玄関のチャイムにマキは目を半分開け。ボヤけた視界に映ったのは朝から不機嫌な百目鬼だった。
心地いい温もり、筋肉質の腕に腕枕され厚い胸板に寄り添っていることに気づいて視線を上げると、眉間にシワを寄せた百目鬼と目が合う。マキは、半分閉じてる瞼を、不思議な気持ちで瞬く。
マキの寝ぼけた仕草に百目鬼の目が和らいで、大きな手がマキの髪を優しく撫でた。
百目鬼「…悪い、お前はもう少し寝てろ、まだ2時間しか寝てない」
マキ「ん?」
百目鬼の腕の中で小首を傾げたマキは、ねぼけて話しを聞けてなくて、眠気に負けて百目鬼の腕にポテッと頭を乗せてすりすりと猫のように丸まってしまった。
百目鬼「……こいつ低血圧なのか?」
前回も目は合ったのに、聞いてるか聞いてないか怪しいところだった。
百目鬼は困ったやつだと目を細め、マキが起きないように腕を抜いて布団を肩まで掛けてから自分の支度に取り掛かった。
ーパタン
マキ「んっ…、?」
遠くで扉の閉まる音に目を覚ました。ボヤけた視界には、カーテンの閉まった窓の隙間から太陽の光が漏れていた。
マキ「ど…めき…さん?」
目の前にいるはずの名前の主の姿は無くて、居たはずの場所に手を伸ばす。
シーツはまだ温かくて、壁掛けの時計は9時を少し過ぎたところだった。
仕事へ行ったんだ…
寂しさに吐息が漏れて、ベッドの中で背伸びをしたら、体の節々が痛み、お尻がズキンと悲鳴を上げた。
マキ「い¨ッ……た〜ぁ〜……」
痛みに寝返り、うつ伏せで枕に顔を埋め。
昨晩について反省しする。
あうぅぅ…。
久々にガッつき過ぎたぁ〜…。
仕方ないよ…、だってすっごい興奮してて夢中になっちゃったし、中が腫れ気味だと分かってはいたけど。いつ最後になるか分からないと思うと、触れれる時にヤれるだけヤッとこうと思っちゃった。
でも、流石に朝まではヤリすぎでしたぁ♪…。
あうぅ…。
喉乾いたぁ…。
お腹すいたよぉ〜…。
眠いよぉ〜…。
百目鬼さんの…フレンチトースト食べたいよぉ…。
もっと…キスしたい……
ベッドに突っ伏して、ジタバタもがく。
ーガチャ!
マキ「っ!?」
部屋のドアが突然開き、驚いて見る。
そこにはスーツ姿の百目鬼さんがいた。
百目鬼「…起きてたのか」
マキ「…ぁ…うん。今起きた」
マキのぎこちない挨拶に、百目鬼はマキに近づく。
百目鬼「体は平気か?」
マキ「うん♪」
反射的にへらっと笑ってみたが、すぐに、しまったと思った。
低い不敵な声がしてジトッと睨まれる。
百目鬼「ほぉー」
マキ「あー…、えっとぉ…、ちょっと腰が…」
百目鬼「ほら、捕まれ。風呂場に連れてってやる」
マキ「仕事だろ!僕は自分のことは自分でできるよ」
百目鬼「間に合うから。協力しろ」
困った奴だとため息つかれ、ここで揉めて仕事に遅れられても困るから、大人しく抱かれて風呂場に連れて行かれた。
百目鬼さんは風呂場に入ってこようとしたから、それだけは断固拒否。
「仕事に1分でも遅刻したら、今晩来るな!」って言ったら百目鬼さんは引き下がった。
シャワーを浴びていると、再び戻ってきた百目鬼さんが風呂場のドアをノックしてきた。
百目鬼『大丈夫か?』
マキ「全然平気♪。だから仕事行けよ!」
百目鬼『もう行く。お前の部屋は綺麗にした。一階のリビングに横になれるように毛布を置いた。朝ごはんもそこにある。分かってると思うが外には出るなよ』
へ?
ぁ…あぁ…流石百目鬼さん…。
超まめ…。
マキ「……ぁ、…ありがとう…ございます」
百目鬼『ふッ、いい子にしてろよ』
マキ「…いってらっしゃいませ〜」
百目鬼『…。ああ…、行ってくる』
ドアから百目鬼さんの影が離れていき、暫くして玄関の閉まる音がし、その後車のエンジン音が遠ざかっていった。
マキ「…フー。無駄に緊張した…」
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
お風呂から上がり、濡れた頭にタオルを引っ掛け、足元がフラフラしながら一階のリビングに行ってみると、ソファーの上に畳まれた毛布と、テーブルにフレンチトーストが置いてあった。
僕はフレンチトーストに瞳を輝かせ、まだ温かいフレンチトーストをペロッと平らげて、すぐにソファに横になった。
あー、幸せ♪
食べたいと思っていたものにありつけて満足したとお腹をさする。
先生宅で百目鬼さんの作ったフレンチトースト食べるなんてなんか変な感じ。
そう思いながら、お腹が膨れたことで再び眠気に襲われてしまう。
……ねむ…。
そお言えば…、百目鬼さん、連絡手段聞いてこなかったなぁ…。
って、携帯買ったの言ってないんだから聞いてくる訳ないか…。
今日は何時に来るのかな?
一緒に晩御飯食べるのかな?
百目鬼さんの手作りかな?
でも仕事の後だしなぁ…
また、一緒に寝てくれるのかな?
お休みのチューとかしていいかな?
…なんか…シたくなってきちゃった…
今晩もエッチ出来るかな?
流石にダメって言われそう…
でも、素直になれって言ったの百目鬼さんなんだけどなぁ…
全て想像すると、どの場面を想像しても百目鬼さんの眉間にはシワが寄っていた。
ふふふふふ♪
百目鬼さんって眉間にシワが寄りっぱなし♪
まだ30前なのに…♪
横になってから考えるのは、百目鬼さんのことばかり。百目鬼さんの用意してくれた毛布をかぶりながら。そのまま丸くなって体を休めたけど、思い出し笑いが止まらない。
そうしてクスクス笑いながら、毛布の中で寝返り打ったら、包帯でグルグルの左手を見て、怪我のことを思い出した。
手の傷を思い出したら、その笑いは乾いた笑いに変わった。
ハハッ…
包帯取れるの1週間もかからないだろうなぁ…。
フフッ…
もっと一緒にいたいなぁ……
それを言ったら百目鬼さんは…
やっぱり眉間にシワを寄せるだろうなぁ…
ふふ、可愛いなぁ
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