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百目鬼から見たマキ…
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マキ「ンゥ…やッ…んん¨っ!…」
驚いて見開かれた瞳は、激しく揺れる…
マキは珍しく抵抗した。
キスしなかったから拗ねたんだろ?
なんで嫌がる?
マキは両手が塞がっているから顔を背けようとするが、俺の力にかなわず、俺が舌を絡めると逃げようとする。
マキ「んん!…ッ!んぅ!!」
手の中のポスターが零れ落ちて、マキが俺の胸を叩いた。
ードン!
百目鬼「!…」
マキ「…ぷはぁ!…ハァ…ハァ……」
百目鬼「…なにが気に入らない?」
マキ「ツッっ!!………ッ……………
………………ひ…どい…………」
絞り出すような小さな声。
薄暗い会場のオーロラのライトが、マキの頬に光るものを反射させ、マキは俺を睨み上げる。
っ!?涙……!??
…泣かせたら、自分が我を忘れて興奮するかと思った。しかし、睨み混じりのその涙に俺の胸はズキリと痛む。
怒らせた?!
マキの反応に驚いていると、マキは俺から目を逸らし、人差し指の背を噛んで溢れ出た感情を一瞬にして押し込め、いつも通りへらへら笑いだした。
マキ「ふ…、ふふ、百目鬼さんからキスなんて………、僕がトイレにいる間に、なんか聞いたの?」
なんか聞いた?誰に?
俺からキスがなんかおかしいのか?
したかったんじゃないのか?
そう思ったが、薄暗い会場、俺はライトに背を向けていた事もあり、マキは、俺の驚いた表情を見逃した。俺の無言を肯定と捉えた。
マキ「また余計なことを…」
マキは顔を見られたくないのだろう、顔を背け、涙を見せることに異常に嫌悪感を示す。俺を見ようとしない。
マキの言ってることが何のことか分からなかったが、マキは、俺が〝誰かから〟マキの隠し事を聞いたと思ってるようだ、これは最大のチャンスだ。
マキの隠し事を探るため話を合わせた。
百目鬼「余計じゃないだろ…」
マキ「余計だよ、知ったから態度が変わったんだろ…」
知ったから?
百目鬼「変わってない。なんで俺が知ったら嫌なんだ、俺が知ったらマズイのか?」
マキ「…知らなかったら、プレゼントするなんて言わなかったろ?」
プレゼント?お土産のことか?
マキ「聞いたから優しくするんだろ!!」
百目鬼「聞いたからじゃない!お前が欲しいって言ったろ?」
マキ「嘘つき!さっきは、キスするの嫌がったじゃん!」
マキが声を荒げた。そんなこと今まで一度もない。
ギロッと俺を睨みつけ、その瞳からボロっと雫がこぼれ落ちた。本人も驚いたようで目を見開く。堰を切ったようにボタボタ溢れた涙は止まらず、マキの顔が歪んで膝から崩れ落ちた、慌てて俺がマキを支えて抱き寄せる。
俺の内心はマキの反応に戸惑って益々分けが分からない。
俺に支えられたマキは、俺に抱きとめらるのを嫌がった、俺から離れようとして暴れやがる。だが、暴れるマキを押さえつけながら俺は思った。
〝マキが感情を剥き出しにしてる〟
俺の中にあった嵐のような衝動が、台風の目の中にいるように静まり返った、そして、知りたいと思った。マキの隠し事を…
百目鬼「マキ、マキ!嫌がったんじゃない、人が見てたろ!あんな会場の入り口ど真ん中で」
マキ「あはっ、ごめんね人前で迫って」
涙を流しても尚、取り繕うとする。
だめだ、またマキが閉じこもる!!
百目鬼「こっちを見ろ!!」
マキ「ふっ♪見てる見てる♪、百目鬼さんのかっこいい顔が見えてるよ」
百目鬼「目を見ろ!!」
マキ「ッ…」
目が合った瞬間マキがビクッと怯えた。小憎たらしい薄ら笑いが消え、無防備な瞳が揺れる。
マキを暴くなら、こちらも晒さなきゃならない、俺がカッコつけてる場合じゃない。言いたくなかったが、あの時キスしなかった本当の理由を言うしかない。
百目鬼「クソガキ!こっちはお前を襲っちまいそうだったんだよ!!」
マキ「………………………………ふえ?」
キョトンとしたまん丸の瞳が、涙を溜めたままこっちを見上げる。
やめろ!人の醜態を凝視すんな!!
キョトンとしたマキの瞳がゆっくり瞬いて、小首を傾げた瞬間。
また、幻覚の猫耳と尻尾が現れて、困惑したように垂れていた。
百目鬼「グッ!その猫耳なんとかしろ!」
マキ「…ふえ?…猫耳??」
百目鬼の勝手に見ている幻覚のことで怒鳴られて、マキは目を丸め。有りもしない猫耳を探して自分の頭をペタっと触る。ペタペタ触ったところで猫耳なんか有りはしないから、マキはハテナがいっぱい飛んだ顔で小首を傾げる。
その仕草が百目鬼にとってはたまったもんじゃない。
小首を傾げると猫耳も揺れて、キョトンとしたマキのジュピター色の瞳には涙がたまったままで、百目鬼の心は馬鹿みたいにかき乱された。
マキは本当に分からなくて、妖艶さも色気も悪戯っぽい笑みもなく。何の企みもない、涙で潤む無垢な瞳で百目鬼を見つめた。
『百目鬼さん疲れててなんか見えるのかな?』って顔して、『僕が疲れさせてるから…』って困り眉になり、何を考えたのか、頭の上でマキの両手で猫耳を作り『こうゆうこと?』とキョトンと小首を傾げる。
マキ「…にゃあ?」
ーブチッ!!
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