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佑斗について③
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冗談じゃない。
俺は、湊以外の他の誰も、面倒を見るつもりなんてない。
しかも、よりによって、あの馬鹿面のガキときている。
あいつとは、できればもう、二度と関わりたくないくらいだ。
佑斗の趣味の悪い服も、イラつく笑い方も、コウタを舐めるように見ていたあの目つきも、不愉快極まりない。
地下室での佑斗の様子を思い出しただけで、夏樹はまた怒りがむくむくと湧いてきた。
「そうは言っても… 湊のことは、引き受けたじゃないか。」
「湊は特別ですよ。俺もね、亨さんが思っているよりずっと、湊を可愛いがってるんで。…それに、そうだ。俺は湊で手一杯です。あいつ、もうちょっとマシかと思ったら、全然ダメだって、今夜分かったし。だから、湊の世話だけで勘弁してくださいよ。」
「だったら、ちょうどいいじゃないか。ふたり一緒に頼むよ。」
あくまでも、にこやかに夏樹に告げる亨に、夏樹は大きく首を振った。
「絶対、嫌です。他をあたってください。」
「なぁ、夏樹。お前は時間も金も余裕があるし…、本来、面倒見だっていいだろう?」
「だから… おだてても、何も出ませんよ?」
「今まで、散々好きにさせてやっただろう?1度くらい私の頼みを聞いてくれてもいいと思うんだが…?」
「もちろん、亨さんには感謝してますよ?感謝してます。だから、他のことだったら、何でもします。でも、あいつは嫌です。」
横目で亨をにらむようにしてまくし立てる夏樹に、亨は肩をすくめた。
「…そうか。分かった。夏樹がどうしても引き受けてくれないって言うのなら、私が面倒を見るが…。ほら、私は今は特定のペットがいないから… 困ったな。そうなると、佑斗の練習相手には、コウタ君に頼むことになるな…。」
そう言うと、亨はグラスをゆっくり持ち上げて口に運んだ。
「なんだよ、それ…。練習相手なんて、コウタじゃなっくても、ほかに適任がいろいろいるでしょ?だいたい、コウタだって、まだ、他のやつの相手なんてできませんよ。」
「それに、私が佑斗を引き受けるとなると、佑斗は湊の上になるな…。」
なんなんだよ、まったく…。
夏樹は腹立ち紛れに、足元のローテーブルをガンッッと蹴った。
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