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さんじゅーなな
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次の日の朝。蒼介と学校に向かってる。昨日あったことが気まずくて、会話が全くない。とてつもなくどんよりした雰囲気。
車に乗って、学校に着くまで何回溜息を吐いた事やら。そのせいで、従者にはとっても心配された。なんか申し訳なくなってきたんだけど。
悪いのは襲ってきた蒼介なのか。それから逃げた俺なのか。俺が悪いんだとしたら謝らなきゃいけないんだよな。
「...や......よう!おきて」
「あぁ...って、おはよう。お前もこのクラスだったんだな。なんか意外」
「おい!?ちょっと、失礼じゃありませんか!?」
朝から騒がしい紅をと話しながら、初めて前の席だったことに気づく。そういえば、紅って俺の隣の席に座ってたんだよな。
「でな、俺やっぱりそっちの方がええんやなかろうか思うて、いうたら、逆切れやで!ほんま最悪やったわ。」
前の席から聞こえる紅の俺が聞いてないからよくわかんない話を適当に相槌を打ちながら、色々考える。蒼介のこととか。聖夜のこととか。
「もしもさ、俺が男が好きだって言ったら、お前は驚くか?」
「...いやいやいや...そんなん普通やん。なんで驚くんや?お前知らんの?」
どう言う事かわからないまま、紅の話を聞く。男が男を好きって普通なのか。前と違う事が一つあると比べてしまう。
そして、思ってしまうんだ。今の世界がどれだけ進化しているかを。進化って言っていいのかわかんないけど、俺のいた世界と繋がってるんだとしたら、進化だと思う。
「今じゃ、男でも妊娠して出産できるんだぜ。俺らが生まれた時にそういう人が出来たらしい。だから、俺さ両親が男同士なんだよ。保育園とか言ってたんだけど、俺だけ違ったから、ちょっと恥ずかしかったけどな」
ニコッと笑って見せる紅。ほんとに良い奴だと心の底から思う。顔もイケメンなんに性格もイケメンとか、欠点なしかよ。
「なぁ、晋夜って昨日会っただけだけどさ、雰囲気変わったよな。なんか、うん。」
「なんか、うん。ってどういうこと?」
笑いながら聞くと、紅は恥ずかしそうに顔を赤らめた。言うのが恥ずかしい雰囲気ってどう言うことだよ。とも思ったけど無理に言わせるのもなんなので
「別に言いたくなかったらいいんだ。ちょっと気になっただけだから」
「お、おう」
それだけ言って前を向いてしまった。何なんだよ。突っかかる事が増えていく一方で全く減る気配がしない。
授業一つ一つ終わるのが遅く感じる。早く帰りたくもないけど、部屋に行って寛ぎたいって言うのも本音。結局俺は何事からも逃げて、楽したいだけなんだ。
何と卑怯で最悪な人なんだろうな。そう思うだけで、笑えてくる。授業中笑うとおかしな人だと思われるので声を殺す。
それを、蒼介に見られていたとは全く気づかなかったけど。
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