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「浴室の中であんなにいっぱい喘いで、俺に縋ってきたのに…っ」
「やかましい!!」
我妻は一蹴すると同時に、部下の頭を叩く。落合は、患部を摩りながら叫びだす。
「我妻さん、これパワハラ~…。」
「じゃあ、昨晩のお前は思いっきり俺にセクハラしてんだろ!!」
一瞬にして口を噤む、ズルい部下であった…。
食卓に並んだのは、焼き魚、添えられた大根おろし、卵焼き、白飯にほうれん草の胡麻和え。味噌汁は、人参玉ねぎキャベツじゃがいも青梗菜豆腐の具沢山だ。納豆。箸休めにタッパーに入った小魚と昆布の甘辛佃煮、キュウリと人参、茄子のぬか漬け。茄子とキュウリのしば漬け。しそ付きの大玉梅干は三つほど小鉢に盛られて登場する。ノリは個包装の袋が二つ添えられている。
ぽかんと口を半開きにしている落合の前に、箸が置かれる。用意した鬼上司は、部下の向かいの席に腰を下ろし、ぶっきらぼうに告げる。
「冷蔵庫物色して、適当に見繕ったぞ。…お前のことだ。どうせ、毎朝カップ麺とか栄養ゼリーとかで、ロクなもん食ってねぇだろ。」
「はい…。」
卓上の輝く和食に目が眩み、落合は正直に頷いている。
「食え。」
ガッバァ、と落合は勢いよく身を起こす。
「おかわりは!!」
我妻は彼の背に、はち切れんばかりに左右へと揺れる尻尾が見えた気がした。
「…飯はまだ量あるけど、味噌汁は二杯まで。魚は一人一尾だ。お前のためになんぞ、ちんたら焼くほど俺はお人好しじゃねぇ。」
後輩は相手の言葉の棘もおかまいなしに、ぱちっと手を合わせる。
「はい!!白米おかわり自由、最高です!!いっただっきま~す!!」
言い終わるや否や、落合は魚をおかずに白飯を口にかき込む。部活帰りの男子高校生負けず劣らずの食欲に、我妻は肩を小さく上下させる。
「お前…。昨晩も相当食っていたってのに、どっからその食欲は来るんだよ。」
呆れ口調の我妻を気にもとめず、後輩は食事に没頭する。我妻はやれやれと息をついて、静かに食事を始めた…。
数十分後。落合は自らの腹を軽く摩り、満足そうに伸びをする。
「ふぃ~。久々、朝食でこんな満腹になったぁ…。」
「そら良かったな。」
で、と我妻が姿勢を正す。なんだなんだ、と後輩もつられて席に座り直す。
「昨晩、お前が俺を襲った話についてだが…。」
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