アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
涙の痛み
-
立ち上がってその場から去ろうとした僕達にその人は「Hey!stop!」と叫んでこちらに拳銃を向けた。
その声は男性のものだった。
同じ格好をしている僕らが誰なのかを探っているように見えた。
撃つべき人間がどちらなのかその男性が戸惑いてるその瞬間に僕の冷え切った脳は、ジミニヒョンの背中を力一杯押していた。
「うぇ?!」
間抜けな声を上げて僕の力に負け、遠くに飛ばされるジミニヒョンの身体。
その刹那、大気に発砲音が鳴り響いた。
「ッヅ!!!!」
グラッと揺れる視界と共に身体中に走る激痛。
今、僕は撃たれたんだ。
そう気づくのには時間はかからなかった。
「ジョングクッ?!?!」
酷い表情で振り返って、こちらへと手を伸ばしたジミニヒョン。
僕もその手を掴もうとしたけど、身体は言うことを聞かなかった。
「ヤダっ!グガぁッ!どうしよ…ぅ血が止まんない!」
悲鳴を上げながら必死に僕の傷口を抑えて止血を試みるジミニヒョン。
「僕は大丈夫だから、泣かないでください」
ポロポロと涙を落とすジミニヒョンにそう言いたいけど、声すら出なかった。
あぁ、痛いな。好きな人が泣いているのを見るのは拳銃で撃たれるよりも痛いや。
少しづつ視界もぼやけて、僕は意識を手放す瞬間『愛してます、ジミニヒョン』と伝えようとした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 16