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それからはさすがに懲りたのか悪友たち
が自ら進んで岡本に手出しすることはなく
なった。
彼の目の届かない所で岡本に手を出して
も苦い体験しかできないことは証明されて
しまったからだ。
しかしそれでも、彼の精で濡れない岡本
が魔法のかかった責め苦から解放されるこ
とはなかった。
体に書かれた文字は日毎に薄く細くなっ
てはいるが、消えてしまわない限りは同じ
状態を継続する。
些細な刺激すら辛い体は衣服で擦れる度
に吐息を零し、盛り上がった股間のせいで
歩きにくいが為に移動はゆっくりになった。
それを遠目に見てクスクスと笑いながら
陰口を叩くくらいなら可愛いもので、欲求
不満な生徒に空き教室に連れ込まれたり呼
び出された教室でギラつく目の教師に好き
勝手に悪戯されたり、果ては登下校中に利
用している駅や電車の中で強姦や痴漢をし
てくる輩も絶えなかった。
岡本は日々の疲れでやつれていくのに纏
う空気はどんどん艶を色濃くしていき、彼
を見つめる眼差しはけっして弱まることも
濁ることもなかった。
それが高取を苛立たせる。
どうしようもないほど岡本を壊してしま
いたい衝動にかられ、しかしどうすればそ
れが現実になるのかわからずにいた。
そうこうしている内に岡本の噂は他学年
の生徒の間にも広まっていき、勃●してい
るくせにどんなに突っ込まれてもイかない
変態の噂は生徒の間で有名になっていった。
休み時間ごとに岡本が連れ出される様な
日もでてきたある日、教室から連れ出され
る彼の後ろ姿を見ながらふと高取は思いつ
いた。
岡本が自分に興味を示さなくなる方法を。
彼の縋るような声や眼差しに煩わされな
くなる可能性を。
それを考えついたら苛立ちがスッとひい
ていき、口元には珍しく笑みが浮かんだ。
ポケットの中のマジックのインクは使わ
れなかった時間の分だけ溜まったせいでも
う満杯近い。
どちらにせよ、もうそろそろ誰かに使わ
なければと思っていたところだった。
それで日常的な鬱陶しさから解放される
なら易いものだと、高取は今までで最も放
課後がくるのを待ち遠しく思った。
「高取君っ?」
HRが終わるや否や鞄を持ったばかりの
岡本の手首を掴んで教室を出ていく高取。
ただでさえ歩きにくい事情を抱えたこと
などお構いなしでズンズンと進んでいくも
のだから、引っ張られる岡本はよろけるよ
うにしてついていくしかない。
しかしそれでも岡本の声には嬉しそうな
震えが混じっており、文句などどれほど待
っても出てこない。
一方の高取は高取で、先を歩きながら意
地悪い笑みを口の端に浮かべていた。
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