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鈴の話 6☆
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殴られて、床に倒れて…まだ兄さんは怒って僕を蹴る。
……一回、見たんだ。
クリスマスに、お母さんたお父さんと兄さん、みんなでケーキ食べてた。
僕は、寒いベランダでそれ見てた。
お母さんとお父さんと兄さんが笑ってる。
…僕が見てるのに気付いて、お母さんがカーテン閉められたけど…。
兄さんは…両親が死んでから、笑わない。
でも…クリスマス…だから
ケーキもあるから…
………笑って欲しい…な…。
「何、勝手に稼ぎ使ってる?!!!ああ!!」
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!兄さん!!」
髪を持って引きずり起こされる。
「大方、このケーキも自分でこっそり食おうとしたに違いない!!
卑しいんだよ!!」
「…違う…!!あっ……!!」
ケーキが…床に投げ付けられる…。
「…罰だ。
もう一度、客引きしてこい!!」
「そんな…今日は…!」
「うるさい!!ここ片付けて行って来い!!」
ノロノロと…ケーキを片付ける。
表は…雪が舞っていた…。
どこ…で…客引き…しよう?
痛み止めを飲んだ身体は…ふらふらして…。
あ…。
ケーキのクリームが…袖に付いてる…。
舐めてみたら…甘かった…。
ケーキ……初めて…食べた…。
「ボヤボヤすんな!!」
ぼんやりと立ち竦んでたら、行き交う人が怒ったような声を上げた。
仕方なく、いつも客引きするとこを歩く。
それをみていた男が、ニヤニヤしながら声を掛けた。
「…いくらだ?」
…男と一緒に、歩く…。
「へぇ…。傷だらけじゃねーか。
もしかして、マゾ?」
男が、舌舐めずりしながら言う。
今度は……
今度は……痛いこと…あんまりない……といい…な……。
………早く
………終わると……いいな。
鈴 END (おまけ…今編に続きます。)
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