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急き立てる。
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楽しい食事をした。
ここでご飯を食べながら家族だけで会話をするなんて、いつ以来だろう。
大吾が茶わんをひっくり返したり、途中で食べるのに飽きてでんぐり返しを披露してくれたりして、あっという間に夕方になった。
「晩御飯食べていかないの?」
「はい、じゃなくて、うん。」
ちょっとずつだけど、普通の家族のようになりたくて、敬語は使わないようにした。
「大輔さんと一緒に食べようと思って。また、近いうちに、」
ごくんと唾を飲み込んだ。
「帰ってくるから。」
そう言うと、母は嬉しそうに笑ってくれた。
・・・良かった。
間違ってなかった。
着実に、多分、互いに近づいていっていると思う。
光太郎は、胸が暖かくなるのを感じた。
「・・・夏になったら、川にキャンプに行かないか?」
「父さん・・・。」
「じゃあ、晩御飯のお魚は、ふたりに任せていいかしら。」
釣りをして、焚き火をして、釣った魚を焼いて。
みんなでテントの中で寝る様子が浮かんだ。
そっか。
4人家族なんだ・・・。
「うん、任せて。」
光太郎は笑顔で請け負った。
※ ※ ※
にいちゃとやくそくした。
おとこと おとこのやくそくだ。
また、かえってきてくれるって、やくそくした。
だから、なかない。
「ふぇえっ。」
「よしよし、よしよし。」
ないてないもん。
ママの肩にぐりぐりと額を押し付けた。
「にいちゃ・・・っ。」
「我慢できたもんね?偉いね?」
うん、にいちゃとやくそくした。
「あそぶ。」
「そうね、一緒に今度、遊ぶんだもんね。」
「ん。」
また、あそぶんだ。
それまで、つよいこになる。
にいちゃと、だいごの、だいじな やくそく。
ね、にいちゃ。
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