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巡り
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萩野「まずはどこ行こうか」
ひとまず僕たちは動き出しました。
僕「えっと……、小腹が空きました……」
萩野「ふふ、そうだね。とりあえず外の露店見てみよっか」
僕「はいっ」
別に常にお腹が空いてるわけじゃありませんよっ?
ただ、たまたま犀夜さんといるときに噛み合っちゃうだけで………っ
と、僕は心中でどこの誰にむけてかわからない言い訳をしていました。
僕「わっ、結構いっぱい出てるんですね」
正門へと続く長い道の間にかなりの数の屋台が出ていました。
まだ今日は力を入れる必要がないためどこも知り合いに話しかけていたりと、ゆるい感じでやっていました。
そんな中、さっきから僕の隣にいるこの先輩も道中たくさんの人に話しかけられていました。
今だって、「きゃ〜、萩野くん食べていかなーい??」なんて、屋台をやってる女の先輩にも話しかけられています。
犀夜さんも困った様子を見せるだけで、その度に僕の方をチラッと見てくるのです。
…………むっ……、なんですか、見せしめですか……!満更でもなさそうな顔しちゃって……っ、
僕はちょっとムッとしてしまい犀夜さんの裾を引っ張ってズカズカ歩きました。
…………せっかく露店に来たのに犀夜さんのせいで全然見れてないっ
萩野「……春、………はーる」
僕の思うままに引きずられていた犀夜さんが急に立ち止まり、僕の名前を呼びました。
僕「……………何ですか」
犀夜さんが立ち止まったので仕方なく僕も立ち止まりました。
そんな様子を見て犀夜さんは微笑を浮かべ、「来て」と今度は僕を人気のないところへ引っ張っていきました。
大きな木の裏に来たと思うと、犀夜さんがギュッと僕を抱きしめてきたのです。
僕「わ……っ、ちょ、こんな所で何するんですかっ」
萩野「んーーー?、春が可愛くて我慢できなかった」
僕「………へっ……?」
…………一体いつどこで僕の可愛い要素があったの!?………
萩野「ねぇ春、嫉妬してくれた?」
僕「…………う……?」
僕の体を離すと、目を覗き込んで聞いてきました。
……………嫉妬………?………っ、!、も、もしかして、犀夜さんわざとあんな態度……っ!
僕はそれがわかった瞬間犀夜さんの罠にまんまとハマっていたことに気づき、ボンっと顔を赤くしてしまいました。
僕「も、もうっ、わざとだったんですか!///」
………犀夜さんを誘ってくる人に曖昧な態度を示していたのも、僕の様子をちらっと見てきたのも、……!!
萩野「…ふふ、ごめん。……でも嬉しかった」
………ううー…………、僕子供みたいな態度とっちゃったじゃん……っ!
僕「ぅー…………、ずるいです…っ」
ごめんね、と笑ってポンポン僕の頭を撫でてきました。
僕「………美味しいもの食べたいです」
萩野「………ふふ、仰せのままに」
だんだん僕の扱いがわかってきた犀夜さんですが、本当は食べ物なんかじゃなくてチューが良かったなんて口が裂けても言いません。
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