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お水
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そして、ご飯を食べ終わって、少し休憩していると、なぜだかこちらをちらちらと見てくる女性2人組がいる。
やっぱり真はモテるのね.......
そう思いながらあまり気にせずにいた。
「そろそろ出よっか」
「あ、うん。」
そんな短い会話を交わして、席を立とうとした時、
「あっ、あの!すみません!」
さっきこちらをみていた女性の1人が声をかけてきた。もちろん真に。
「なんですか?」
「あの........この後一緒にでかけませんか?」
わぁ....最近の女の人はこんなふうに大胆に声をかけてくるものなの....?
「いや、連れがいますので。」
「その人も一緒でいいので!男2人だけじゃつまらないでしょ?」
おぉ、この人は僕のことちゃんとおとこだってわかってるのか。
ってそこじゃないか。
自問自答しながら、2人のやり取りを見守る。
「いえ、そんなことないので。」
「いいじゃないですか〜、こっちも女子2人なんで!ちょうどいいじゃないですか!一緒に遊びましょうよ〜」
「お断りします。」
「も〜、いじわるだなぁ。」
そういって真の腕に絡みついて胸を押し付ける。
それにすこしイラッとすると同時に悲しくなってきた。
....僕にはあんなふうに柔らかい胸はないもんな.......
「離れてください。もう行くので。」
「あーん。じゃあ今度どっか行きましょうよ〜だから連絡先だけでも交換しましょ?」
「それもお断りします。」
「えぇ〜、いいじゃない少しくらい〜」
女性の方は余程自信があるのか、なかなか引かない。
「結構ですから。ほら、ハルいこう?」
「う、うん....」
面倒になったのか真が無視してそのまま立ち去ろうとする。
「なによ!!ちょっと顔がいいからって!寂しく男2人で出かけてるくせにすかしてんじゃないわよ!」
そういってテーブルの上にあったグラスを掴んだ。
グラスを投げられる!そう思って真の前に立ち塞がる。
「ハル!」
そう呼ばれて真が僕を庇おうとするも、もう遅い。
でも、僕が思っていたのとは違って、グラスを投げられるんじゃなくて水を思い切りかけられた。
「っ....つめた.......」
中にはかなりの量の水と少しの氷がはいっていて、それを全部浴びた。
つめたい。
「ハル....!大丈夫?」
その様子を見ていたスタッフの人が慌ててタオルを持ってきてくれて、それで真に顔を拭かれた。
水をかけた方の女性はさっさと出ていってしまった。
「大丈夫。ただの水だから」
「ごめんね.......こんなことになって」
「大丈夫だよ。真かっこいいもん。モテるのは仕方ない」
それはわかり切ったことだ。
あの女性の仕草を見て羨ましいと思ったのは内緒だが。
水をかけられたこと自体は別にそんなに気にしていない。
ただ、ここまでされてしまったら帰らないといけないなって思うと残念なだけ。
「ほんと....ごめん.......ごめんな.......」
頭を撫でられながらそのまま抱きしめられる。
「あ....ダメだよ、真まで濡れちゃ.....」
「いいんだよ。それは。ほんとにごめんね。とりあえずお店出よう.......会計済ませるからちょっと待ってね」
「あ....僕の分はお金出すよ....!」
「いいの。水かけられたの僕のせいだし、今回は僕に出させて?」
「う.......わ、わかった」
渋々了承し、会計を済ませて外に出る。
「.......ごめんねハル、」
「いいの。真のせいじゃないんだから。」
「.......でも....」
「もう、気にしないの。僕は大丈夫だから。ね?」
「うん....でも、とりあえず一旦帰らないと....風邪ひいちゃう」
「.......うん」
「ごめんね.......本当に。今度また一緒に来よう....」
今日のデートが終わっちゃうのは悲しいけど、また来れるならそれはそれでいいかなって。
「うん。また来ようね、よし。帰ろっか」
「うん。」
少し沈み気味の真と一緒に駅まで歩いた。
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