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安心安全な性行為
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不思議道具
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特に大した用もないのに買い物へ行くと訳の分からない物を買ったりする。これもそのひとつだ。
尻型のシリコンが、ぷりん、とこっちを向いている。
何でこんな物を買ったんだっけ…と思い返して見るが、大智もちっとも思い出せない。もともと酒が入っていたから思い出したところでロクな理由じゃないとは思うが。思うが、だ。
『遠距離恋愛の必需品☆ツナガルオナホール』
とピンクのパッケージにデカデカと書いてあるのを見て大智は眉を寄せた。パッケージの注意書き欄には一言「繋がりたい相手の体液を入れて下さい。繋がります」とだけ書いてあり説明書すら入ってない。見るからに怪しい。怪しいと言うかフザけている。所謂これはジョークグッズだ。面白おかしく仕立てられた玩具なのである。大智にだってそれくらい解っている。だから眉を寄せてる理由はソコじゃない。そこじゃなくて…
その横にある空のコップの方である。
「なーーーーにしてんだ、俺はーーーーぁぁ」
信じられない。いや信じていない。こんなの只のジョークグッズなのだから繋がるとかそんな眉唾物の話を誰が信じるというのか。解ってる、解ってる筈なのに、俺は今、そのコップを手にしている。兄貴がシンクに放置していった空のコップを!
ぷりん、とシリコン特有の質感を持つオナホに触れてみる。
ちゃっかり尻型を買ってくる辺り、酒で飛んだ理性の中にも思考は残っていたのか、使い道は考えていたらしい。挿れたら擦れて痛そうな質感の尻穴を拡げてみる。今のところオナホには違いないが特に変なところも無い。ローションがあれば、まあ楽しめるだろう。繋がった気分にでもなれれば御の字、てところか。
(……どうせ現実には繋がれやしないし)
大智は兄が好きだ。
親兄弟にもつ親愛と言う意味ではない。劣情を抱いているという意味で兄の天音が好きだ。腹違いでもないし特殊な環境下で育った訳でもない。ただ単純に恋愛の対象が兄だっただけである。いつか気持ちも薄れるだろうと思い続けて早21年。気付けば立派に成人してしまった。
ボクサーパンツからイチモツがボロンと溢れる。
こっちのほうもご立派に育ってしまったが兄に恋した所為で未だ使い道はない。宝の持ち腐れである。幾ら立派な物を持っていたって、好きな人すら抱く事が出来ないのだ。
「あーーーっ!もうどうにでもなれ!」
コップの縁に付いていた水滴を尻穴に擦り付ける。
兄貴が口を付けたなら唾液くらいは混じっているだろう。
後ろめたく無いと言えば嘘になる。が、どうせ結ばれないのだ。ずっと我慢してきた。天音は大智のこんな気持ちに微塵も気づいていないだろう。だからほんの少しこんな冗談みたいな事に使っても罰は当たらないんじゃないか、て、頭の隅で都合よく解釈する。実の弟にずりネタに使われて気持ち悪くない筈がないのに。
(……バレなきゃいい…バレなきゃ……)
オナホを掴む震えた手のひらにしっとりとした感触が伝わった。
「…?」
しっとり、温かい。
先程までシリコン特有の質感だったオナホがしっとりと滑らかに、それこそ人肌のような温かさをしている。そのあまりの生々しさに大智は思わず手を引っ込めた。オナホの表面がぷるん、と揺れる。
「……何だ………これ」
液体に触れると質感が変わる材質なのか?温かいのは発火剤?何処までがこのジョークグッズのジョーク部分か分からず混乱しながらも生温かくなったオナホを掴み尻穴を覗いてみる。ローションが無ければ痛そうだった尻穴も粘膜を張ったように赤くぬらぬらしていた。さっきまでとはまるで違う。これじゃまるで……いや、まるでではない、これはもう、
「アナルだ」
赤くぬらぬらしたアナルが目の前にある。尻肉を左右に拡げられて隠れる事の出来なくなったアナルが人前に晒され恥ずかしそうにヒクヒク震えた。……気がした。自分でもよく分からなくなっている。目の前で起きている事が現実なのか、はたまた錯覚か。
それとも本当に兄貴と繋がっているのか…?
「……、」
ごくり、と喉が鳴った。
艶かしく蠢くアナルに舌を挿れてみる。出来る限り奥まで舌を差し挿れ舌先をクリクリ動かすと、予期せぬ侵入者を排除しようとしているのか押し出すように襞が動く。その初めてと言わんばかりの慎ましやかな抵抗が大智をさらに興奮させた。天音はモテるし遊び人だが、アナルは未使用なのかもしれない。性に関してダラしなさそうな兄貴がアナルを舐められて戸惑っているのかもしれないと思ったら下腹部がずっしりと重くなる。
「痛くないよう慣らしてやるから…」
唾液でぐちゃぐちゃになったアナルの淵を指で拭うとそのまま奥へ突っ込んだ。中指と人差し指だけなのに中は狭くて熱かった。拡げるようにバラバラ動かせばぎゅーぎゅーキツく締め付ける。指が折れそうなほどの締め付けだ。
「ンな締め付けんなって」
空いた側で軽くオナホを平手打ちすると筋肉は感じるのに柔らかい表面がパチーーンと良い音を慣らして赤くなった。意図を悟ってかアナルも瞬間だけ痙攣し後は力が抜けていく。
「そーそー。イイコだな」
叩かれて赤くなった表面を労るように舐めて吸い付く。キス痕が付くほどキツく吸い上げるとアナルが震えた。
普段ならシリコンのオナホにこんな事はしない。夢か現か、大智にはこれが本物の天音に思えて仕方なかった。一度でもそうと思ったら例えオナホでも愛おしい。
「ごめんな」
血管がバキバキに浮かび上がった赤黒いちんぽに手を伸ばし充てがう。
これが本物だったら今頃天音はどんな顔をしてこの状況を過ごしているのだろうか。突然アナルを舐められて指で弄られ尻を平手打ちされて。誰もいないのに触られている感覚だけあって、さぞ怖がっているだろう。もしくは女を抱いてる最中かもしれない。そうだとしたらどんな顔してやり過ごすのだろうか。じっと耐え忍ぶ?怯える?普段なら女の前で醜態を晒す筈もない天音がもし大智の手で翻弄されていたとしたら。
ぐっ…ぷぅ、ぬぶぬぶぬぶぬぶぐりゅ、ぐぷっ、
「…っ、はいっ、ちゃった……」
未開拓のアナルをぶっといちんぽでギチギチに埋める。襞の一本一本まで伸ばされ収縮の余裕もないアナルが裂けずに辛うじてちんぽを受け入れている。
「はっ……、狭…ぁ、っ」
貞操観念の緩そうな女とばかり連んでいたから、実際はアナルも開発済みだと思う。昔、家に来た女が大きな声でそんな話をしていた。天音は自分の兄ながら気持ちの良い事には考えなしに足を突っ込む下半身脳味噌男だし、しばらく風俗通いをしていたから尚更だ。だけど、目の前のコレは違う。
大きさに馴染んだのか天音に見立てたオナホがぢゅっぢゅっと収縮を始めた。
「っ、あ"ー、すっげえ吸い付く…♡♡処女のクセにもうデカチンの味覚えたのかよ…この節操無しが…っ」
ぐりっっぐりゅ、ずっぱんぱんぱんッ♡
柔らかい左右の尻を鷲掴みにして肛門が捲れ上がるのもお構い無しに無我夢中で腰を振る。飲み込みの早いアナルは乱暴にされながらも大智のちんぽを咥えて離さない。
「ん、ぁ、締まる…っ♡、兄貴の処女マンきもち善すぎんだろ…ぉ♡♡あ"〜〜っ、くそっ、童貞ちんぽ止まんない…♡♡」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんッ♡
壊れるんじゃないかと思うほど激しくアナルを突き上げる。ぶるんぶるん揺れる尻に指を食い込ませた。
「〜〜っ、イク…♡イクイクイクイクッ♡♡兄貴の処女マンに出す……ッ♡♡♡♡」
びゅッびゅるびゅるびゅるびゅるっっ、びゅくっ♡
溜まっていた精液が大量に噴き出してアナルの中を満たす。一滴残らず精を吐ききったちんぽに種付けられたオナホが未練がましく吸い付いた。吸い付くというより痙攣しているようだ。大智に中出しされてビクンビクンと襞が波を打っている。
「……っ、もしかして…イッてる……?」
童貞には判断が難しいが小刻みに震える様はAVや成人雑誌で見聞きしたそれだ。中出しされたってのに天音の処女マンはイったらしい。さらに大智のちんぽを離すまいと必死に締め付けている。まるで天音が大智を離したくないような。
(……あー、クソ)
こんなこと本当じゃないのに。本物じゃない癖に。
「そんなに欲しけりゃくれてやる……っ、全部、全部ッ」
どちゅんっどちゅん、ばちゅんっっ
諦めようと思った。何度も何度も。女性が駄目なのかもしれないと考えて同性と付き合おうとした事もある。だけどそれでも駄目だった。土壇場になると思い出す。馬鹿で女にダラシなくて優しいだけが取り柄の、それだけが取り柄の、俺の、
「天音……ッ♡♡好き……っ、好きだ……っ♡♡ずっと前から……兄貴が…っ」
(大好き)
ちんぽを咥えて離さないアナルのなかに何度も何度も精を吐き出して最後は血が出るんじゃないかってくらいヤり倒した。性欲の強さは兄貴と同等なのかもしれない。血は争えないというか。精魂尽き果てた身体でオナホの中を綺麗にして最後にキスをひとつ落とすと後は泥の様に眠った。
「あ"ーーーーーっ!!!」
やってしまった。ついにやってしまった。
イカ臭い自室で目が覚めて大量のティッシュと明らかに挿入口が拡がってるピンク色のオナホールを目の前にして、昨夜の記憶が鮮明に蘇る。酒で気が大きくなっていたとは言え、これは無い。いっそ酒で記憶が飛ぶタイプだったら良かったのにそれすらも叶わない。
(…忘れよう…そうしよう)
自室のドアを開くと隣室から天音が現れた。どうやら昨日は帰って来てたらしい。最悪のタイミング。無視して自室に戻ろうかと迷っていると天音がヒョコっと歩いた。何処か怪我をしてるのか歩き方が妙だ。
「…兄貴、大丈夫か?何か歩き方が……」
「!!」
背後から声を掛けられた天音がギョッとしたように飛び跳ねて顔を赤くした。金魚よろしく口をパクパクさせている。
「?兄貴?」
「〜〜〜ッ、バカ!!」
「はあ?」
「バカ!酔っ払い!!おっ……お前、声デカ過ぎ……!!だからオレ……こんな、変な………っ」
「??」
「大智のバカ!どすけべ!」
真っ赤な顔でスウェットの尻の方を掴んでそれだけを叫ぶと天音は再び自室に戻り鍵を掛ける。あまりに突然の出来事過ぎて整理が追いつかない。
「えっ…………と」
昨日の夜のことを振り返る。
(いや、まさかそんな筈…)
あれは唯のジョークグッズで贋物で、だからあの温かさも艶かしさも締め付けも本物ではない筈で。ない筈だよな?
ベッドの片隅に置いてある尻型のオナホールが目に入る。兄貴のコップにはまだ水が入っている。
(そんな筈は無いけれど……)
真っ赤になった天音を思い出す。可愛かった。正直どちゃくそシコい。今すぐ自慰行為に耽れるくらいには。
「……」
これは自慰行為である。何の変哲もないマスターベーション。安心安全な性行為だから何も問題はない。そう。だからこれから昨日買ったオナホで自慰に耽ようと問題はない……筈です。
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