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「よし…まあ、こんなもんでいいでしょう。」
あれから俺達は大型ショッピングモールに出向き、
生活雑貨から掃除用品、調味料や食品などを
大量に買い込んだ。
買い物中の氏原は完全に主婦で、同じような商品を
見比べて、電卓アプリを駆使しながら内容量と値段の
割合がどうのとかブツブツ言ってた。
でもそのお陰で量の割には安く済んだからありがたかった。
「…主婦」
「何か言いました?」
「や、なんもねっす。」
「…?」
帰り道、車を走らせる中で思わずこぼれた本音。
車内では無言の時間も続いたが
お互いにだいぶ打ち解けているのか独特の気まずさは無かった。
「なんだか、高木先生と居ると心が温かくなります」
沈黙を破ったのは氏原で、けど流していた音楽と冷房の音であまり聞き取る事はできなかった。
「…え?なんすか?」
音楽のボリュームを落として聞き返す。
「ふふ、何でもないです。…この歌手好きなんですか?」
ナビに向かって指をさした氏原は笑顔でそう問いかけた。
「んー、まあ好きって言うか昔の知り合いだからっすね」
最近メディアに出始めたこの歌手は、中学時代
俺以外で唯一の男子部員だったため、かなり仲良くしていた覚えがある。
高校は別々で、当時の俺のバイト先にたまたま来て以来
一度も顔を合わせてはいないが。
何も言ってこない氏原が気になり、チラっと横目で
見ると、目をキラッキラ輝かせてこちらを見てた。
「お…っお、お友達なんですか……っ?!」
今日、新たな一面を知ったが
どうやらフワフワ氏原は、ミーハー氏原らしい。
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