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階段を下るだけなのに
こんなに息を切らすものだろうか。
ここ数日の寝不足のせいか、はたまた幸人の元へ1秒でも早く駆けつけたいと思ったからか
そんな事を考える間もない程、冷静さを失っていた。
誰かが寝ているかもしれないし
誰かの怪我の治療中かもしれない
俺みたいに頭が痛いやつもいるかもしれないし
何か大切な話をしている最中かもしれない
でも俺は、構わず扉を開け放った。
勢い良く、大きな音を立てて。
「………………………おい、何してんだよ………?」
目に入ったのは、カーテンの引かれていないベッド。
トモナリに手首を掴み上げられながら、こちらを見た幸人と目が合う。
5日ぶりに目が合ったというのに、そこには嬉しさの欠片もなくて
ただただ込み上げるのは怒り、憎悪、そして
頬を伝う熱いコレは
どの感情からやって来た?
「…こっ………ぁ、たか、ぎ…先生……っ、」
康明、と呼んでくれない幸人。
当然だろう。目の前に生徒がいるんだから。
学校ではお互いの呼び方に気をつけようと、いつか約束したじゃないか。……でも、本当にそこに居るのは”生徒”か?
理由は”生徒の前だから”か?本当に?
何か他の理由があるんじゃないか――…
名前を呼び、呼ばれたくない理由が。
そう、例えば
”生徒の前だから”ではなく、”トモナリの前だから”…?
シャツ1枚羽織っていない幸人
俺が一度も見ることを許されなかった細い肩、ピンク色の突起、薄く浮き出た肋骨。
引き抜かれたベルトはベッドの下に置き去りにされ、カーキ色の細身のパンツは膝の辺りまで下げられている。
幸い下着は脱がされていないようだけど、おそらくそれも時間の問題だっただろう。
「…や、だ……っ、見ないで、高木せんせ…っ、やだ…」
この現状
このタイミングで、仮に誰かが入ってきたとしよう
そいつがこの光景を目にして
最初に思うことは1つだけ。
……あぁ、俺は、邪魔者だ。
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