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居間の机の前に、僕と天清が並んで座り、皆に見られながら夕食を食べた。
夕食は、凛の作った肉じゃがで、父さんもちゃっかり食べたらしい。
「凛の手料理は誰にも食べさせたくないのに。くろがちょうど夕飯時に来るから、優しい凛がくろも一緒にと勧めたのだ。青藍と天清は、特別に許してやるが…」
そう銀おじさんが怒りながら言うと、清忠さんが不満そうな顔をした。
「だから、俺は食べなかったじゃないですか。三人が美味そうに食べてる所に来ましたけども!というか、俺はダメでなんで天清はいいんです?」
「天清は、礼儀の正しい良い子だからだ」
「俺も良い子ですよ?」
「おまえはすぐに調子に乗り過ぎるからダメだ」
「くっ…!俺はいつになったら一ノ瀬さんに認められるんだろ…」
僕が口に運ぶじゃがいもを恨めしそうに見て、清忠さんがポツリと呟く。
天清は、清忠さんの様子を全く気にする素振りも無く、夢中で肉じゃがを食べていた。
「清…、ごめん。今ので無くなっちゃった。また作るから、今度は食べてよ」
「え?いいの?凛ちゃん!」
「当たり前だろ?清は、俺の大事な親友なんだから」
「天使かっ!大好きだっ!」
清忠さんが、隣に座る凛に抱きつこうとして、凛を挟んで反対側に座る銀おじさんに、顔を押さえつけられた。
「いっ、痛いれす…っ!」
「おまえは何度言えばわかる。凛に気安く触れるな」
「…そう言う一ノ瀬さんは、しょっちゅう俺に触れてますけど?」
「はあ?気持ち悪いことを言うな。俺が頻繁に触るのは、凛だけだ」
銀おじさんが、清忠さんから手を離して凛の肩を抱き寄せると、清忠さんをギロリと睨む。
清忠さんは、銀おじさんから目を逸らして、湯呑みのお茶を飲み干した。
「清忠、おまえは未だに天狗のいいように扱われてるのか。おまえは妖狐族の上に立つ身だぞ。もっとしっかりしろ」
「わかってるよ。一族の中ではちゃんとやってるだろっ!」
僕達の机から少し離れた場所にある椅子に座っていた男の人が、清忠さんに注意をする。
僕は、清忠さんに似たその人を見て、天清を見た。
「あ、青藍は会ったことなかったっけ?あの人は、父さんの兄で、真葛 宗忠。妖狐族の一番偉い人だよ」
「…え!そうなのっ?僕、まだ挨拶してなかった…っ」
僕は、口の中に残っていたじゃがいもを飲み込むと、慌ててお茶を飲んで立ち上がり、ペコリとお辞儀をした。
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