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僕と凛、銀おじさんの三人で食事を終えて、寛いでる時だった。
インターフォンが鳴って、「こんな時間に誰だろ?」と首を傾げながら、凛が居間を出る。
凛に対して過保護な銀おじさんも続いて居間を出た。
僕は『天清のお父さんでも来たのかな』と呑気にお茶を飲もうとして、「どうしたのっ!?」という凛の声に驚いて立ち上がった。
慌てて居間を飛び出ると、玄関に続く廊下の先に、凛と銀おじさんが並んで立っている。その二人の肩の間から、とても憔悴しきった様子の藤隠が見えた。
「藤隠?」
僕が名前を呼ぶと、藤隠と目が合った。
「…青藍、俺、どうすれば…っ」
そう言うなりぎゅっと両手を握りしめて俯き、肩を震わせて泣き出した。
僕は、強気な藤隠が泣いたことに驚いて、固まってしまった。
凛と銀おじさんが顔を見合わせて、困っている。
凛が玄関を降りて、震える藤隠の肩を抱くと、家の中へ入るように促した。
藤隠を座布団に座らせて、凛がキッチンに行く。
僕は、藤隠の隣に座って、小さく震える藤隠の肩に手を置いた。
「何があったの?藤隠が泣くなんて、よほどのことだろ?」
ゆっくりとこちらを見た藤隠は、見ている僕まで胸が詰まるような悲しい顔をしていた。
凛が、藤隠の前に温かいココアを置く。
「藤隠くん、これ飲んで。少し落ち着こう?」
凛の優しい声に藤隠は頷いて、両手でカップを持つと、少しずつココアを飲んだ。
半分程飲んでカップを置く。もう震えも涙も止まった藤隠を見て、銀おじさんが口を開いた。
「で、何があった。おまえのその様子からして、心隠のことだな?」
藤隠の肩が、大きく揺れる。
藤隠は、順番に僕達を見て、声を絞り出した。
「し…っ、心隠がっ、死んだ…っ」
「えっ!?」
「なんでっ!?」
僕と凛が同時に叫び、銀おじさんが息を吐いて目を閉じた。
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