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「やっと、戻ってきたな。最近、どうよ」
15時を過ぎたころ、木佐のもとに30代ぐらいの社員が来た。
しばらく、二人で世間話、たとえば、二人の共通の知り合いの近況、最近はまっているゲーム、
周平が聞いたことがないいくつかの専門用語について、会社の組織変更の噂、などしたあと、「邪魔したな」と帰っていった。
「どなたですか」
木佐とは仕事の接点はないようで、具体的な仕事の話は出なかったようだった。
周平には、本当に木佐の邪魔をしただけに見えた。
「企画開発部のやつだ。
時々、気分転換に話をしに来る」
その後も何人かが、木佐のもとに「気分転換」に訪れた。
初めのうちは、このグループがよっぽど暇に思われているのかとか、木佐が邪魔をされて困っているのではないかと気になっていたが、1週間もすると、それが単なる「気分転換」ではないことに気がついていた。
彼らは、木佐から情報を入手していたり、アドバイスを受けていたりしていた。
今後、どんな技術がトレンドになっていくと思うか、このアプローチでいいのか、最近、こんな言葉を耳にするようになったがどういうものなのか、などなど。
「木佐さんは、いろんなことを知ってますよね」
「新しもの好きだからな」
確かに、新しい技術とその可能性について語るとき、木佐の目はキラキラと輝いていた。
周平が初めて支援に行った先の鈴木は、木佐が売り上げをあげてないどころか、彼が動けば動くほどマイナスになるんだと批判していたが、こうやって、目に見えないところで会社に貢献しているのだ。
そのこと自体に周平は嬉しく、木佐を誇りに思ったし、楽しそうにしている木佐を見ているのもうれしかった。
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