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茶碗蒸し ー秀ー
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あれから2週間が経った。
まだ、心のモヤモヤは取れず、清四郎とも微妙な距離ができたままだった。
朝、ベッドを出て朝ごはんを作る。
お互いによそよそしく、顔色を伺いあっている日々。
どうにかしたいのだが自分からあの女性について聞く勇気は依然としてなかった。
このままなんて嫌だなー…。
こればかりが頭の中を一杯にしていく。
時間が解決してくれると心のどこかで思っていた。
しかし、そんなことは全くなく、寧ろ距離が深まっていくような気さえしている。
「はぁー…。」
ため息も一体どれだけ吐いてきたことか。
清四郎…起きてこないな…。
いつもならもうとっくに起きて、自分の作った朝ごはんを食べて会社へと出ていく時間だ。
寝坊だろうか。
起こすべきか。
もしかしたら、今日は休みかもしれない。
「…………。」
一応、起こしに行こう…。
寝室のベッドに戻って、布団を被る清四郎に声をかける。
「清四郎…??
朝だよ??」
「…。」
「今日、休み??」
「…。」
「…ねぇ、清四郎…??」
いっこうに返事がないため、ゆっくりと揺すってみた。
「…んー……。」
起きたのか、掠れた声が聞き取れる。
開かれた清四郎の目は宙をさまよってから、ようやく俺と目があった。
うっすら脂汗をかいて、顔色が良くない気がする。
「清四郎…??
もしかして、具合悪い…??」
「……気持ち悪ぃ…………。」
「吐きそう??」
「…んー……少し。」
珍しく弱っている清四郎に戸惑いつつも、とりあえず熱を計ってみた。
しかし、熱はさほどない。
本人曰く、夏バテらしい。
起き上がって胃をさすりながらスーツに着替えようとする清四郎を慌てて止める。
「何してんだよ、今日は休めば??」
「いや、今日は………っ…………。」
「わぁっ!!!!???」
グラッと一瞬だけ倒れかけた清四郎を受け止めて、ベッドに座らせる。
「もう、こんなんじゃ行けねぇだろっ!!!
大人しく寝てろって!!!」
きつめに言った俺を清四郎は、ポカーンとした顔で見つめた。
「珍しく怒ったな。」
「うるさい。
いいから早く横になれって。」
ちょっとだけ、前のように自然に話せた気がした…。
清四郎は秘書さんに電話してから、大人しく寝ている。
さて、多少でも清四郎に何か食べさせなければ。
何にしようか。
消化が良くて、食べやすいもの…。
お粥…煮込みうどん…にゅう麺…んー…………………。
なんだろう。
なんだろう。
あ…………。
……………茶碗蒸しっ!!!!
つるんっと食べれて、消化にもいい。
冷やせば玉子豆腐としても食べれる!!!
清四郎はだし巻き卵が好きだから、恐らく味的には好きなはずだ。
そうと決まれば早速作ろう。
「清四郎…??」
「ん??」
「茶碗蒸し、作ったんだけど…食べれそう??
少しでも食べたほうがいいと思って。」
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