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茶碗蒸し2 ー清四郎ー
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30歳を過ぎてから毎年夏バテになるようになった。
歳をとるとは恐ろしいことだ(笑)
それでも今回のバテ方は異常なほどに酷い気がする。
秀に怒られて大人しく会社を休んで横になると、先程の会話を思い出した。
ここ2週間あまり秀との間に距離ができていた。
それはお互いの間に妙に冷たい風がふいているような気がするほどだった。
決して離れたいわけではない。
寧ろ四六時中抱きしめあっていたいほどなのに。
しかし、先程の会話は久しぶりに自然な感じだった。
何も考えず言葉がスムーズに流れていく心地よさ。
「……なんなんだよ………。」
早く秀と仲直りがしたかった。
「茶碗蒸し、作ったんだけど…食べれそう??
少しでも食べたほうがいいと思って。」
部屋でボーッとしていると秀が何か持って部屋に戻ってきた。
「…ん??」
「だから、茶碗蒸し。
食べれそうなら少しでいいから食べて??」
なんつぅーいい嫁なんだコイツ。
俺の好みをちゃんと知ってる、わかってる。
可愛い………。
「少し食いてぇ…。」
「うん。」
俺が食べると言うと、ぱぁっと表情を晴らす秀が本当に可愛くて仕方ない。
起き上がってヘッドボードに寄りかかると、俺の横に座った秀はトレーにのった茶碗蒸しをくれた。
「無理して食べなくていいから。」
「食わせてくれねぇのか。」
「ばっ…バカじゃねーの///」
「ふーん…。」
久しぶりに顔を赤くした秀をみれた。
レンゲに少しすくって熱さを確認してから口に含む。
「美味い。」
「良かったー。」
「お前が作ってくれるものは何でも美味い。
いい嫁だな。」
「そんなに誉めても何も出ないからな。」
「そばにいてくれればそれでいい。」
「……っ………何、急に……。」
「いいや、何でもねぇよ。」
結局、茶碗蒸しを半分ほど食べて満足し、再び寝た。
いい夢をみた。
それは、昼下がりに隣で秀が俺の手を握りながらうたた寝をしている夢だ。
特別に何をするわけでもない。
ただ隣に秀がいて、安心しきったような顔で寝ているだけ。
しかし、それだけで俺は十分に幸せだと感じる。
愛してる、秀。
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