アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
熱を求めて ー清四郎ー
-
.
日差しで部屋が明るくなり、目が覚めた。
時計をみるともう昼過ぎだ、通りでカーテンを閉めている部屋でも明るいはずだ。
隣にある自分とは違う体温の存在に、目眩がするほど安心する。
まだ眠っているのだろう、頭まで被っているブランケットが静かにゆっくりと上下していた。
無意識なのだろうが、時折、俺の胸に顔を擦り寄せてくるのがなんとも言えない。
寝返りを打ってもどこかしら体の一部は密着しているし、そこから確かな体温を感じる。
「可愛いよ、ホントに。」
そう独り言。
体はダルいが頭痛などの二日酔いっぽい感じはさほどなく、意外にもスッキリとした目覚めだった。
記憶もすべてある。
秀とのキスが気持ちよすぎて、心が満たされて、そのまま意識を手放したことも覚えている。
問題は秀の方だ。
酒に弱いコイツは、果たして以前のような二日酔いなのだろうか。
ブランケットをずらしてそっと顔を覗いてみると、眩しそうにぎゅっと目を瞑ってさらに潜ろうとブランケットを手繰り寄せていく。
少しだけ意地悪をしたくなりブランケットをまたずらすと諦めたのか、俺の胸にすっぽりと顔を埋めてきた。
反則だろ…それ。
ふわふわさらさらの髪に指を通すと、気持ちいいのかスリスリとさらによってくる。
いちいち可愛いコイツにため息しかでない。
もう少し寝ていようか、それとも酒の臭いの残る体をシャワーでサッパリさせてこようか。
迷った俺はそっとベッドを出てバスルームに向かった。
「おはよ。」
腰にタオルを巻いて濡れた髪を拭きながらベッドルームに戻ろうとリビングを通るとキッチンに秀の姿を見つけた。
「はよ。
二日酔い平気か??」
「うん、全然平気!!!
ご飯何がいい??」
「聞かなくてもわかんだろ。」
「どんだけだし巻き卵好きなのさー。
お味噌汁、しじみだよ!!!」
「最高。」
しじみの入った鍋を火にかけている秀を後ろから抱き締める。
ビクンと初々しく反応するその姿に思わず頬が緩んでしまう。
「危ないからっ、ってか、髪乾いてないじゃん。
風邪引くって。」
身を捩って体を反転し俺の髪を肩にかけたタオルでガシガシと拭き始める。
軽くマッサージされてるようで思わず目を瞑っていると、ペチッとおでこを叩かれた。
「早く服着て髪乾いたら、ご飯一緒に食べよ。」
「ん。」
急いで着替え、髪を乾かすと微かに隣のリビングからいつものいい匂いがしてきたのでベッドルームを出ると美味しそうな朝食兼昼食が並んでいる。
しじみの味噌汁はいつもとは違う赤だしで、昨日とは違う浅漬け、俺がリクエストしただし巻き卵、それにアジの開き。
完璧すぎる嫁。
赤だしを作るのは今回がはじめてたったらしいが、やはり秀の作るものはどれも美味しい。
「今日どうする??
って、もう午後だけど。」
「なんかやりたいことあんのか??」
「何もないよ。」
「んじゃ適当に映画でも観るか。
飯終わったらお前シャワー浴びてサッパリしてこい、それからDVD借りにいこう。」
「うんっ。」
俺が食器を片付けてる間にシャワーにいかせるとしばらくしてバタバタとリビングに戻ってきた。
ピンク色の乳首にうっすら蒸気した見るからにスベスベの肌、そこに髪から滴っている雫が撫でていくように滑る。
細い腰に筋が通り、うっすらと筋肉が浮かんだ。
久々にじっくりと見た秀の肌に思わず生唾を飲む。
そんな俺のことなんてつい知らず、コイツはパンイチの格好で「サッパリしたぁーっ!!!」なんて言いながらミネラルウォーターをカブガブと飲んでいく。
「すぐ着替えるから待ってて!!!」
そう言ってクローゼットへ消えていった。
それを見届けてからはぁーっとため息をつきながら、少しだけ熱を持った自分自身を可愛そうに思う。
あぶねぇ………襲うとこだった。
冷えたミネラルウォーターを俺も一気に飲み干してどうにかその熱を冷ますしかなかった。
「次、なに観る??」
2本目の海外映画を見終わった頃、借りてきたDVDをあれやこれやと広げる秀をボーッと眺めていた。
正直、映画の内容なんてひとっつも頭に入ってこない。
俺が気になるのは膝枕されたり、したり、手を握ったり、時折涙を浮かべ笑ったり……秀のことで頭がいっぱいだった。
もちろんエロい意味で。
気がつけば何週間抱いていないだろうか。
よく昨日は酒が入り酔っていたのにキスで我を忘れなかったものだ。
「ねぇ、聞いてる??」
「あ??」
「次、なに観るって。
てか、ちゃんと観てた??」
明らかにちょっと不貞腐れた秀をなだめるように膝にのせ、悪かったと謝りながら頭を撫でる。
ムギュっと抱きしめて秀の首筋に顔を埋めれば、俺と同じシャンプーの香りと秀の独特のどこか甘いような優しい香りが鼻をくすぐり、ついつい強く抱き締めてしまう。
そして、思わずその美味そうな首筋に舌を滑らせ軽く歯をたててしまった。
「んっ、んん………何、急に……ん。」
突然のことに驚きつつもしっかりと艶と熱を帯びた声をあげてくれたことに正直嬉しく思う。
俺の肩に手をかけて引きはなそうとしているが、俺からすればそんな抵抗など更に興奮する要因となるだけだった。
「せいし、ろ………な、にっ………。」
抵抗するのを諦めたのか秀の手は俺の頭を掻き抱いて、時折ビクビクと体を震わせている。
ちゃんと感じている。
本人は気づいていないだろうが先程から腰が微かに動いていた。
「清四郎ってばっ。」
「シたい………。」
「なっ、なんで…………。」
「シたい。」
「秀を感じたい。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 100