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17.班決め
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俺がおかしくなってから、1週間がたった。
あの日ほど変なことはしていないと思うが、多分いつも通りではなかったと思う。
「今日は、2週間後の合宿の班決めをする」
担任がだるそうに言う。
この学校は宿泊行事が、3回ある。
2週間後の2泊3日の合宿。
今年の冬にある2泊3日の修学旅行。
来年の夏にある4泊5日の修学旅行だ。
「3人から6人の班を作れ」
担任がそう言うと、全員が友達同士で話し始める。
「一緒に行くよね?」
健也が不安げに俺の方を見る。
「うん」
俺はそう言って、伊藤の方を見る。
正直、4人で行くのは何となく避けたかった。
しかし、クラスで3人以外で喋れる伊藤が班のメンバーを決めていたようなのでそれは無理そうだった。
あいつら伊藤たちと仲良かったっけ。
ていうか、伊藤って溝口以外に友達いたんだ。
「楽しみだね〜」
嬉しそうに光は彰人に話しかける。
「そうだな」
珍しく教室にいる彰人が答える。
「準備しないと、だね」
健也は、合宿の冊子を開きながら言う。
「じゃあ、みんなで買いに行く?」
俺はそう言って三人を見る。
驚いたように光と健也がこちらを見る。
「なんだよ、俺変な事言った?」
そう言うと、光が何も言わずに抱きついてくる。
俺は必死に光を引き剥がす。
「普通に戻った!!」
光が俺の耳元で大声をあげる。
耳が痛い。
「心配してたんだよ、ずっとおかしかったから」
健也が「元に戻ってよかった」と言って微笑む。
「心配かけてたんだな、悪ぃ。ごめん」
俺は素直に謝る。
「合宿楽しみだね、ゆーくん!」
光が笑顔で俺に言う。
「そうだな」
俺はそう言って、笑顔を作った。
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